世界屈指の透明さ誇る米タホ湖、巨大金魚で「汚染」

世界屈指の透明さ誇る米タホ湖、巨大金魚で「汚染」
2月21日、世界屈指の透明度を誇る米タホ湖で、巨大な金魚が繁殖し、専門家は生態系を乱す恐れや、排せつ物による汚染を懸念している。写真は金魚を持つネバダ大のクリスティーン・ガイ氏。提供写真(2013年 ロイター/Tahoe Environmental Research Center/University of California Davis)
[バレーオ(米カリフォルニア州) 21日 ロイター] 世界屈指の透明度を誇る米タホ湖で、巨大な金魚が繁殖し、専門家は生態系を乱す恐れや、排せつ物による汚染を懸念している。
見つかった金魚は、大きいもので重さ約1.8キロ、体長は45センチにもなる。タホ環境リサーチセンターの広報担当は、「金魚が在来種と生存競争していることが、問題の大きな部分を占めている」と語った。
同研究センターが設置されているカリフォルニア大学デービス校や、ネバダ大学リノ校、カリフォルニア州とネバダ州の野生生物当局から集まった研究チームは、2006年からタホ湖での金魚問題を調査している。
2011年には、金魚を含む外来種を駆除するプロジェクトを開始。ボートから垂らした金属ワイヤから電流を流し、浮いてきた魚から在来種だけを選別して湖に戻すなどの取り組みを進めてきた。
ただ、ネバダ大のクリスティーン・ガイ氏は、金魚の繁殖力を考えると、駆除は継続しなくてはならないと語る。
タホ湖の巨大金魚の多くは、もともとはペットとして飼われていたものが捨てられ、繁殖したものとみられる。
ガイ氏によると、金魚は大量に食べるので排せつ物も多く、それが水中で藻の成長を促進するという。
タホ湖は世界で10番目に深く、透明度も約20メートルと世界有数。ただ、米地質調査所によれば、1960年代に初めて計測されたときの透明度は30メートルだった。

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