【書籍紹介】『沈黙の町で』奥田英朗/朝日新聞出版/1890円
いじめを受けていた中2の名倉祐一が校内で転落死した。4人の同級生が逮捕、補導されたがいずれも非行歴のない普通の少年だった。〈普通なのに経験と常識がないことが、少年犯罪の悲劇なのだ。しでかした後で事の重大さに気づく―〉。
殺人罪に持ち込むべきか? 取り調べを行なう刑事の豊川康平は悩む。そして捜査が進むにつれ被害者、加害者の家族や学校に疑心暗鬼が広がり、やがて意外な真相が……。いじめの深層を照らす問題作。
※週刊ポスト2013年3月15日号