動物も人間のように、年齢を重ねる。高齢化社会が進んでいくなか、ペットを取り巻く環境でも、人間のように介護の必要性が高まってきているようだ。そんななか、茨城県に老犬介護ホームがオープンした。その名も『老犬介護ホーム ひまわり』(http://rouken-kaigo.co.jp//以下、『ひまわり』)だ。
そこで、『ひまわり』の設立の経緯や仕組みなどを取材したので、ご紹介したい。まずは、設立に至った経緯から。
「今年、茨城県での犬の殺処分数が8年連続全国ワースト1になりました。保健所に飼い犬を持ち込む理由に、『飼い主の高齢化により飼育の継続が難しくなった』『ペットの老齢化により老犬介護の必要性があるがさまざまな事情で難しい』などが挙げられます。飼い犬の寿命はペット医療の発達や飼育環境の改善を背景に、この数年で劇的に伸びているため、老犬介護が必要になってきているのです。この問題の一助になることで、殺処分数の減少につながればという思いがあり設立いたしました」
医療技術の発達によって平均寿命が伸びているのは、人間ばかりではないようだ。では、具体的な入所費用や受入数の予定は?
「犬舎では50頭〜60頭の犬を受け入れ可能です。本件の情報公開から4日間(4月19日現在)で、システムやご利用料金など、十数件のお問い合わせを頂いております。ご利用料金は年額制または終身一括制、更にお預かりする犬の大きさで分かれております。例えば中型犬を年間契約でお預けいただく場合、お預かり料金48万円+入所金10万円+治療費3万円=合計61万円をお支払いいただき、死亡もしくは契約満了時や解約時にはご利用料金を月割りし、差額をお返しいたします」
終身一括制の場合は利用料金のみで、愛犬が亡くなるまで責任をもって『ひまわり』が世話をしてくれるとのことだ。最後に、老犬を飼われている方へのアドバイスを聞いてみた。
「愛犬の老化現象をありのまま受け止め、そのうえで愛犬との時間をゆったりと大切に過ごすことをお勧めいたします。老化現象が進んでくると、飼い主さんはその問題をひとりで抱え込みがちになりますが、そのようなときこそ頼れる人に相談し、手助けを求めてください。飼い主さんが喜んでいると犬も楽しくなる、そういう動物です。愛するわんちゃんのためにも、飼い主さんには、笑顔で過ごしていただきたいと思っています」
ペットの寿命が伸びている現在、愛犬の介護で悩む人は、誰かに助けを求めるということも重要なのかもしれない。いまいちど、愛犬の将来についても考えてみてほしい。