今はさまざまなペットと暮らす人が多い。そのなかでも犬や猫同様、人気があるのがウサギ。日本では満月のときの月の模様が、まるでウサギが餅つきをしているように見えるといわれている。そんな幻想的な動物を現実に家族として迎え入れる場合にそろえるべきものや注意すべき点を、ウサギ専門店の『うさぎのしっぽ』取締役専務の蔵並秀明さんに伺った。
「当店では、まずお客様にウサギと暮らす環境の確認や、面倒を見る方の確認をします。ですので、その場ですぐに決めて連れて帰る方は多くはありません」
では、いざウサギと暮らすことになった場合、どんなものをそろえればよいのだろうか。
「ケージ、トイレ、水・フードを入れる容器が基本ですね。ちなみに当店では、初めてウサギと生活する方のために『はじめてセット』もご用意しています。こちらはフードのほか、すのこも入っているセットなんです。じつは、ウサギはすのこがないと足やお尻が汚れて不衛生になるので、それを防ぐものとして使います。また、飼い主さんもウサギの生活の質の向上を求めているため、サプリメントもセットしました」
どんなペットも家族の一員。しかし、ウサギ、特にオスは家族で一番になろうとする傾向があるそうだ。
「ケージから出すのはかまいませんが、飼い主さんのエリアに入れてはいけません。例えば、ベッドに連れて行ったりすると、そこでおしっこをしてしまうなどやんちゃな性質に育ってしまいます。ですからケージの外では甘やかさず、ウサギが遊べる場所をしっかり決めてください」
最後に、これからの季節に向けての注意点を伺った。
「9月から10月は毛が生え変わる時期です。その際、自ら毛づくろいをし、胃に毛がたまる『毛球症』になる場合があります。ウサギは嘔吐ができませんから、この時期には月に1回程度、グルーミングをしましょう。それから、ストレスのない環境で育てることも重要ですので、適度に運動させてください」
満月のウサギもいいが、本物のウサギと暮らすのも心に安らぎを与えてくれそうだ。