国内

高須院長が原発問題にひと言「安全に扱うための技術が重要」

原発問題について緊急提言した高須院長

 高須クリニックの高須克弥院長が、世の中のさまざまな話題に提言するシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、福島第一原発の事故によって、日本における大きなテーマとなった「原発問題」について、院長の率直な意見を訊いた。

 昨年末の衆院選でも議論の的となった原発問題。民主党、日本未来の党(現・生活の党)などは「脱原発」「卒原発」を掲げていたものの、圧勝したのは原発新設に含みを持たせる自民党だった。とはいえ、原発に不安を抱く市民も少なくないのも事実…。いったいどんな原発政策がいいのだろうか? 高須院長が持論を展開する。

 * * *
──東日本大震災以降、原子力発電所の是非について、さまざまな議論が重ねられていますが、高須院長はどうお考えですか?

高須:難しい問題だよね。確かにリスクが高いのは間違いないけど、でも原発をしっかり制御できるようになるための努力が重要だと思う。せっかく原子力を人間が手に入れたのに、それをただ「危ない」ってだけで放棄しちゃったら、それは人間の進歩を止めることになりかねない。

──つまり、原発に関する技術革新をもっと進める必要があるということですね。

高須:そう。とはいっても、もちろん単純に原発推進というわけではないよ。福島第一原発も津波でやられたし、活断層の上に建っている原発も多いし、少なくとも日本国内の原発は決して安全な状況ではないと思う。それがわかっているのに、日本国内の原発を増やそうっていうのはさすがに違うよね。だから、専門家が「危険だ」って言っている限り、今の日本では原発を造るべきではない。

──では、どういう形で原発技術の開発を模索すればいいのでしょうか?

高須:可能なのかどうかはわからないけど、たとえば砂漠の真ん中に原発を造って、そこで技術開発をするとか、地震のリスクの少ない海外に建てるとか、そういう可能性を探るのも重要だと思うよ。世界を見渡せば、万が一のことが起きたとしても、被害を最小限に食い止められる場所がまだまだあるはず。そういう場所に、日本で培った原発のノウハウを持っていけばいい。

──でも、たとえば「日本で危険だといわれているものを、どうして海外に輸出するんだ」っていう意見なども出てくるとは思うのですが…。

高須:もちろん、日本と同じように、災害リスクの高い場所に原発を造るのはダメ。それはありえない。そうではなくて、日本よりも災害が起きる可能性が低くて、地盤もしっかりしている地域をしっかり選んで、そこに建てればいい。そういう場所に、日本の高い技術を持っていけるんだから、すごく良いことだと思うけどね。

──何よりも重要なのは、安全な原発を実現するための技術革新だということですね。

高須:類人猿が最初に火を使った時みたいなもので、「火」という道具がどうこうではなく、それをどうやって安全に使いこなすかっていうことが重要なんだよ。「原発は何がなんでも絶対にダメ」という考え方は、間違っていると思うな。もちろん事故はないほうがいいんだけど、事故が起きたとしてもくじけることなくより安全な技術を開発していく努力をしないと、何もかもがストップしちゃうよ。

 いずれにしたって、すでに人間は原発を手に入れちゃっているんだから、それをどう安全に扱うかっていうことを問題にしなくてはいけない。そのノウハウを確立させることが、人間の使命だと思うな。

 * * *
 現在の日本における原発の状況を冷静に分析し、持論を披露した高須院長。福島第一原発の事故処理を進めるにしても、現存する原発を廃炉にするにしても、いずれにしろ原子力を安全な形で扱う技術は必要になってくる。原発を推進するかどうかは別として、高須院長が主張するように、原発に関する技術革新は確かに避けて通れない道だといえるだろう。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。最新刊『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)が話題。

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