ついに今年4月から、会社員が加入する厚生年金の支給が60才から61才に引き上げられた。その後も3年ごとに1才ずつ引き上げられ、最終的に12年後の2025年度には、年金は65才からの支給になる。
すでに国民年金は65才からの支給なので、現在51才以下の人は、65才にならないと年金を受け取ることができなくなってしまう(女性は2018年4月から60才→61才への引き上げが始まる。65才への引き上げが完了するのは2030年度)。
ではいったい、老後に向けて40代、50代はどのように備えればよいのだろうか。それを知るためには、まず、老後にいくら必要で、60才までにいくら貯めておけばよいのかを把握しておく必要がある。
女性セブンは50代、60代の男女100人に年金に関するアンケートを実施した。その結果によると「老後に必要になる額はいくらだと思うか」という質問には、「2000万円程度」という声が多かった。
しかし、現実に老後に備えている額はといえば、1000万円以下が過半数。なかでも「なし」が圧倒的に多いという結果になってしまった。
実際に老後の生活に必要な額はいくらなのか。
「総務省の家計調査によりますと、老後の生活には夫婦2人で月に28万円必要です。現役時代に平均世帯年収560万円だった人は、夫と妻が受け取る年金額が、厚生年金と国民年金を合わせた満額で約23万円と、月に5万円足りません。
65才から平均寿命の85才まで生きたとすると年60万円×20年の1200万円が足りませんので、その分、貯金しておく必要があります」(ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん)
年金生活に入る前に、住宅ローンの返済や子供の教育にかかる出費をすべて終えておくのが理想だが、これがなかなか難しい。
「現実には、晩婚化の影響で60才でもお子さんが大学生だったり、住宅ローンの支払いが終わっていないという人も多いです」(畠中さん)
※女性セブン2013年6月6日号