「除雪ボランティア」をご存じだろうか。過疎化・高齢化の進んだ豪雪地帯で、民家の雪かきを手伝うボランティアのことである。近年、雪かき中の事故が問題になっており、とくにお年寄りの多い地域で自治体の募集した除雪ボランティアが活躍しているという。今回、新潟県総務管理部地域政策課雪対策室に、その活動について詳しくお話を伺った。
「当室が運営している除雪ボランティア『スコップ』は、雪処理の担い手不足の対策として平成10年度(1998年)から活動を開始しました。地元の方の指示に従って、主に高齢者世帯など除雪作業が困難な世帯の家屋まわりや、玄関から道路までの道付けなどの除雪作業を行います」
近年では大学の活動の一環で参加する人も。初心者向けの講習があるそうだ。
「当日、除雪作業を行う前に、地元の方から除雪道具(スコップ、スノーダンプ、かんじきなど)の使い方、作業に当たり注意すべき点などを教えていただきます。作業中も地元の方やベテランのボランティアから適宜、指導していただきます」
なるほど。それなら安心して参加することができそうだ。では、参加する上で気をつけることはどんなことなのだろう?
「現地集合、現地解散が基本なので、交通手段や宿泊先は各自手配、自己負担でお願いしています。また、万が一に備え、ボランティア活動保険に加入していただきます。雪かきは重労働なので、準備運動をしっかりし、適度な休憩と水分補給を心がけてください。屋根の雪が落ちることがあるので、屋根の下では作業をしないこと、雪の下には水路やガス管などいろいろなものが隠れているので、現場に詳しい地元の方の説明をよく聞いて注意事項を守ることが重要です」
しかし、雪かきの経験がないような人が行っても、役に立てるのだろうか?
「雪かきに慣れていない方でも、人数が集まれば作業がどんどん進みます。作業時は『雪は重くて固いもの』という認識を持ち、さらに道具の説明をよく聞いてコツをつかめば、力任せにならずに作業できます」
地元の方からは「一人での除雪作業は何日もかかるが、ボランティアに来ていただいて非常に助かった」、「雪の中で暮らしているので、ボランティアの方と話すことができ、楽しいひとときだった」などの声があがっているとのこと。今年度からは登録メンバーのスキルアップを目的とした講習会の実施を予定しているそうだ。