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徳武弘文×仲井戸“CHABO”麗市 スペシャル対談

徳武弘文xCHABOインタビュー

 セッション・ギタリストの重鎮であり、エレキ・インストやカントリー音楽の伝道者としても活動する徳武弘文。RCサクセションや麗蘭といったバンドを軸に、温故知新のグッド・ミュージックを生み出し続けてきた仲井戸“CHABO”麗市。このたび、そんなふたりのありそうでなかった対談が、今年7月にオープンしたばかりのGibson Brands Showroom TOKYOで実現した。実は同世代で好みも相通じる彼らが繰り広げるディープな音楽談義、そして来たるビルボードライブ公演に向けたメッセージをたっぷりお楽しみいただきたい!

表現の方法はお互い違うけど、
求めるところは同じだと思ってた。──徳武弘文

??徳武弘文さんが11月15日に、CHABOさんが麗蘭で12月7日に、それぞれビルボードライブ東京に出演するということで、この対談が企画されたわけですが……対談は初ですよね?

徳武弘文: うん、初めて。

仲井戸“CHABO”麗市(以下: CHABO): 初めてどころか……会うの何年ぶり? 30年ぶりとか?

徳武弘文: そうそう。今やもう、息子(徳武孝音:g)が一緒にやらせてもらったりしてて。

CHABO: イカした息子がいらっしゃってね。彼は奥さんのAisaっていうステキなボーカリストと一緒にやってたりするんだけど、俺も彼にライブを手伝ってもらったことがあるの。お父さん譲りでルックスもいいし、ギターもイカしてるよね。

徳武弘文: いやいや(照)。

??孝音さんとの共演はどういうきっかけで?

CHABO: 3Gっていうセッション・バンド……吉田建(b)と村上“PONTA”秀一という、極悪のリズム隊とやってるバンドがあって(笑)。

徳武弘文: ハハハ、確かに凄そう(笑)。

CHABO: それで次のライブもう一人ギターを入れてみようかって話したりしてたんだけど、その頃Aisaにライブを手伝ってもらったことがあって、TAKA(孝音のこと)が観に来てくれたのかな。で、何かやろうって。

徳武弘文: TAKAが一緒にやった時はもちろん観に行ったよ、PTAとして(笑)。

CHABO: そうなの? やめてよ~、それ知らなかった。

徳武弘文: で、ライブのあとでCHABOさんに会おうと思ったら、もう帰っちゃってて。

CHABO: 俺、わりとすぐズラかっちゃうからね。それは失礼しました。

徳武弘文: いえいえ。

??約30年前に会ったのは、どんな場面でしたか?

徳武弘文: それはね、加奈崎芳太郎(元古井戸のvo/g)のソロ・ライブで、僕がギターを弾いてたんですよ。

CHABO: 当時、徳ちゃんは加奈崎さんを手伝ってたんだよ。その時、俺もたまたまゲストか何かで。でも“こんちは”ぐらいで、あんまり喋らなかった。“エイモス・ギャレットどう?”とか、そのぐらいのひと言ふた言だったんじゃないかな(笑)。

徳武弘文: そんな感じだろうね(笑)。

CHABO: あとさ、徳ちゃんが泉谷(しげる)のバックをやってたでしょ。当時はイエローとザ・ラスト・ショウ(徳武が所属)っていうふたつのバック・バンドがあってさ。俺たちもよく泉谷と共演してたし、今日はザ・ラスト・ショウだとかイエローも俺ファンだったからカッコいいねとか、そういう風に見てはいたけど、話したりはしなかったな。

徳武弘文: お互い近くでやってるのは知ってたんだけどね。

??以前CHABOさんにインタビューした時、ルーツ音楽の魅力について話す中で、古き良き音を今に伝える徳武さんの活動を例に挙げていたのを覚えています。

CHABO: そりゃもう、ミスター・テレキャスターだもん。俺自身が彼のファンだしさ。徳ちゃんのプレイはずっとチェックしてるよ。CDだって持ってるんだ。

徳武弘文: ありがとうございます。いや、お恥ずかしい。

??徳武さんはCHABOさんの存在をどう見ていましたか?

CHABO: あきれて見てたんじゃない?(笑)

徳武弘文: そんなことない! 表現の方法はお互い違うし、世界も変わってくるとは思うんだけど、ブルースがしっかり根底にあったりして、求めるところは同じだと思ってたよ。

CHABO: うん、俺たちってベンチャーズとかビートルズから始まってるし。

徳武弘文: 世代的にそうだよね。

??徳武さんは1951年生まれ、CHABOさんは1950年生まれと歳も近く、徳武さんはベンチャーズ、CHABOさんはビートルズからの影響について常々語っています。

徳武弘文: 僕はベンチャーズから入ったんだけど、彼らのおもしろいところは“俺でも弾けるんじゃないか”って思わせることだよね。それで追求していくと、どんどん難しいとこにハマっていくの。で、レコードが磨り減るまで聴いてわかるのは、ルーツを振り返らないとベンチャーズの域にはいけないってこと。そこからカントリーだとかブルースだとか聴くようになるわけ。

CHABO: ノーキー・エドワーズなんて、ものすごくカントリーの要素があるもんね。

徳武弘文: うん。そうやってハマると、どんどん戻っていっちゃう。で、その先にはレス・ポールさんみたいなギター・ミュージックの神髄がいることがわかったりして。

CHABO: やっぱり俺たちは1960年代のロックが向こうから日本に来た時、一番最初に引っかかった世代だから、ベンチャーズとかビートルズみたいなものが決定的にあってさ。

徳武弘文: 衝撃だったよね、ドカーンと来て。とにかくその音を出したくて憧れて、どうすればいいのかなって。

CHABO: うん、ロックやギターのマジックだよね。ベンチャーズの「急がば回れ」とかビートルズの「抱きしめたい」とかが、ある日ラジオからバーンと出てきたわけ。そういうエレキ・サウンドの衝撃、ビートルズの何だかイェーイェー言ってる響きに衝撃を受けてね。で、俺はだんだんビートルズやストーンズみたいな歌に惹かれていってさ、きっと徳ちゃんはベンチャーズのギターに惹かれていったんだよね。

徳武弘文: ふたりの大きな違いは、お互いソロをやってても僕は歌ってないことだね。

CHABO: でも徳ちゃん、ソロ・アルバムで歌ってるじゃない!

徳武弘文: ハハハ。昔ちょこっとね。

CHABO: 俺、アレすごくいいと思う。もっと歌いなさいよ(笑)。すごくいいんだから、あったかくてさ。

徳武弘文: いや~。でも本当にね、やっぱり歌う人にはかなわないなって思う。

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  1. 憧れてるものに近づくことの積み重ねが
    自分のスタイルを作るんじゃないかな。──CHABO
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