Nature.comに光学ディスクの容量を飛躍的に引き上げることにつながる技術が「Three-dimensional deep sub-diffraction optical beam lithography with 9 nm feature size」として掲載された。工業的にも実現可能な技術で、この技術を応用して開発されるディスクは現在のDVDやBlu-ray Discとは比較にならないレベルの容量を実現できるようになるという。

レーザーを使ってデータの読み書きを実施する光学ディスクは、現在の方式を踏襲する場合、原理的にこれ以上の大容量を実現することが難しいと考えられてきた。回折現象の影響を受けるため、レーザーの幅は100nmあたりが限界だとされている。これ以上細かい単位での記録ができないため、光学ディスクの容量を現在の状態から飛躍的に引き上げるのは難しいだろうと考えられていた。

今回発表された技術は、2つの異なるレーザーを照射することで「9nm」というレベルの書き込みを実現している。書き込みを実施するレーザーと、そのレーザーに被るようにドーナッツ上の打ち消しレーザーを照射。2つのレーザーがお互いを打ち消し、ドーナツ状の打ち消しレーザーの穴の部分だけ、書き込みレーザーが残るという仕組みになっている。このサイズが9nmということになる。

Three-dimensional deep sub-diffraction optical beam lithography with 9 nm feature sizeより抜粋

研究者らの紹介記事がThe Conversationに「More data storage? Here’s how to fit 1,000 terabytes on a DVD」として掲載されており、こちらの紹介記事では、シングルDVDのサイズで見積もった場合、DVDでは4.7GBというサイズを実現しているが、この技術を適用した場合には1ペタバイト(1,000テラバイト)へ容量を引き上げることができるとされている。