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岡島梓 /企画・エフェクト
2014年12月17日 (水)

ブルーボトルコーヒーも上陸。焙煎所に選ばれる清澄白河の魅力

ブルーボトルコーヒーも上陸。焙煎所に選ばれる清澄白河の魅力(撮影:岡島梓)
撮影:岡島梓

アメリカ・オークランド発のロースタリー(焙煎所)&カフェ「ブルーボトルコーヒー」が日本に初出店する。毎日焙煎した新鮮な豆を使ったドリップコーヒー、できたてにこだわったコーヒーに合うペストリー(菓子類)の提供を予定しており、上陸前から話題を集めている。

2015年2月6日にオープン予定の同店が出店先に選んだのは、東京都江東区清澄白河。最寄駅は東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線が乗り入れる清澄白河駅だ。東京都現代美術館や清澄庭園というスポット以外、あまり馴染みのない地域かもしれないが、じつはこの街にここ数年コーヒーの焙煎所や個性的なカフェが出店しているのだ。そんな清澄白河の魅力を、自家焙煎コーヒーショップとして同地で人気を集めるアライズコーヒーロースターズの焙煎士、林大樹さんに伺った。

「清澄白河の魅力は、時間の流れがゆったり感じられるところが一番ですね。下町の中でも寺社と公園が多くて、静かな街なのであくせくしていないところが好きです。気付くと私も、このエリアに14年も住んでいます。また、人の温かみを感じられるところも魅力だと思います」

林さんによると、ギャラリーが多いのでアートに関心のある若者や、都心部の洗練されたお洒落感に飽きたクリエイターなど、昔からの住人だけでなくさまざまな人が住んでいるそうだ。

「そういった多種多様な人が楽しそうに会話しているのをみると、ベースにある温かさが残っているなと思うんですよね」

では、林さんが考える、清澄白河がコーヒーの町になりつつある理由はなんだろうか。

「まずは木場の木材倉庫や清澄白河の町工場跡などで、大きな焙煎機が設置できるなど、自分らしい表現ができるスペースに余裕があったことは重要だったと思います。あと、蔵前が新しいものづくりの町として有名になってきたように、清澄白河にもさまざまな分野で活躍するクリエイターが移り住んできていて、そんな人たちのコミュニケーションスペースが求められていたということもありますね」

最後に、今後の清澄白河をどんな場所にしてみたいかを聞いてみた。

「地元の方とそれ以外の方が自然と打ち解けられる、ゆったりした空気感はこのまま残したいです。その上で、美味しいコーヒーや個性的な空間で、クリエイターの面白いアイデアが生まれるような場所にしたいですね」

林さんのような焙煎士やバリスタの方も、クリエイターの一人として、地域になくてはならない存在となっている。コーヒーをはじめとした物の消費だけではなく、物をつくり出す役割も果たすファクトリーのような清澄白河。新たな価値が生み出されつつあるこの街で、素敵な週末を過ごしてみてはいかがだろうか。

●取材協力
アライズコーヒーロースターズ
HP:http://arisecoffee.jp/
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