住まいの雑学
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嘉屋 恭子
2012年7月11日 (水)

素材もデザインも自由自在! 渋谷のカフェで表札を自作してみた

家の顔ともいえるのが、表札。御影石や大理石、木などの「いかにも」という素材だけでなく、最近ではガラスやアイアン、スチールなどのユニークなマテリアルも登場。今回はそんな最近の表札事情をご紹介。カフェで自作する様子もレポートします。

ガラスや銅製まで! 表札の素材も個性を競う時代に

表札といえば、「木製または御影石に、毛筆のような立派な筆跡で縦書き」というシンプルなものを思い浮かべる人も多いはず。もちろん、現在でもこうした純和風の表札もあるけれど、最近では建物の外観がモダンになっていることや、ガーデニングの流行もあって、さまざまな素材、デザインのものが登場している。
 まず、マンション、一戸建て問わず、多く採用されているのがステンレス。軽くて錆びにくいため、表札にはもってこいというわけ。エッチングで名前や住所を彫ったり、カッターで刻んだりして、さまざまに加工できるし、カラーストーンやガラスなどとの異素材との相性がよいのも人気の理由のようだ。

一方で、個性を追求したい人に向いているのが、ガラスやタイルの表札。ガラスには強化ガラスのものだけでなく、琉球ガラスを使ったものもあり、美しい青や緑、オレンジなどとてもカラフル。こうした明るい色を玄関まわりに配置すると、アクセントになって家全体が明るい印象になりそう。また、鋳物や銅製を使ったものもあるが、こちらは素材の質感を活かして、より堂々としたイメージといえそうだ。

こうした表札は、素材をセレクトし、デザインを選んで完成…という「パターンオーダー」スタイルが一般的。新築マンションではオプション販売会で扱っていることもあるが、ホームセンターやエクステリアの会社に依頼する人も多いようだ。

素材探しからレイアウトまで。世界でひとつの表札づくり

でも、もうちょっとこだわりたいという人であれば、自作するという手もある。例えば、今年3月に渋谷にオープンした「FabCafe」は、レーザーカッターを設置している世界でも珍しいカフェ。自作したデータを持ち込めば、紙や木、アクリル板などをレーザーカッターで加工してもらえると聞いて、デザインデータと、ウッドデッキ用のムク材&イタリア製のタイルを手に、我が家の表札づくりに挑戦してみた。

店に着いたら、まずUSBメモリに落としこんだデータを担当スタッフに渡して、サイズなどの微調整をしてもらう。レーザーカッターの出力加減などを相談したあとに、いよいよレーザーカッターが動き出す。すると、タイルは30分、木製のほうはなんと5分で完成。まさにお茶をしている間に表札ができてしまう感覚だ。仕上がった表札は、素材探しもデザインも自分たちで行っているので、愛着もひとしおだし、何よりレーザーカッターで加工している様子は見ているだけで面白い! 

素材もデザインも自由自在! 渋谷のカフェで表札を自作してみた

お茶やランチだけの利用も可能なカフェだが、店の中央にはレーザーカッターがある

レーザーカッター使用代は30分で2000円~、使用したウッドデッキ&タイルは、いずれも建材会社からもらった無料のサンプルなので格安&エコなのもうれしい。今回は、ベーシックな木材&タイルを使用したが、カフェで用意しているアクリル板を使ってもいいし、風雨の心配がないマンションなどの室内用表札なら、レザーやコルクを使うのもアリだろう。

「表札のような平面の加工は、ベーシックものなので失敗も少ないはず。レーザーカッターは陶器の加工にも使えますし、アイデア次第で住まいを飾るアイテムはいくらでもつくれますよ」(Fabディレクター岩岡孝太郎さん)。買うのも楽しいが、やはりつくる喜びはひとしお。いい表札がないかなと探している人は、ぜひ一度、自作に挑戦してみてはいかがだろうか。
 

素材もデザインも自由自在! 渋谷のカフェで表札を自作してみた

アクリル板の加工例。くり抜くこともできるし、エッチングのように彫ることも可能

素材もデザインも自由自在! 渋谷のカフェで表札を自作してみた

ウッドデッキ用建材を使用してつくった表札。焼きの色目がいい味を出している

■取材協力
FabCafe
HP:http://www.fabcafe.com/
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