寒い季節、一杯ひっかけてから家に帰りたくなるのは、吞ん兵衛ばかりではないだろう。引越したばかりで近所に友人もいないし、とはいえひとりで居酒屋に行くのも気が引ける……。
そんなときふらっと立ち寄れて、ざっくばらんにお酒と会話を楽しめる場所を知っていれば心強いというもの。そこでおすすめしたいのが、「コの字酒場」だ。これは、カタカナのコの字型のカウンターを持つタイプの酒場のことで、上座・下座といった区別がなく、誰でも平等に楽しめるとフリークのみならず多くの人に人気を集めている。
今回はそんな「コの字酒場」の命名者である、コの字酒場探検家の加藤ジャンプさんに、その魅力についてお話を伺った。「中学生のころ、東南アジアの日本料理屋のコの字型カウンターで食事をし、その雰囲気やグッと距離が縮まる面白さに開眼した」という加藤さん。まずは、コの字酒場の最大の魅力から聞いてみた。
普段、上座・下座といった立場を気にして飲む機会が多い会社員にとって、聞けば聞くほど不思議な魅力をもつコの字酒場だが、いきなり入店するのは勇気がいるかもしれない。そんな気持ちのハードルを下げる、コの字酒場での作法を教えていただいた。
最後に、加藤さんが最近行かれたおすすめのお店を教わった。
コの字酒場は、バックグラウンドが異なる人々が、その場、その時間を一体となってつくりあげる場所。近所にコの字酒場が見つかったら、暖簾をくぐってみよう。そのあまりの居心地の良さに、一杯ひっかけるどころでは済まないかもしれないが、新しい世界が広がるかもしれない。