住まいの雑学
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岡島梓 /企画・エフェクト
2014年12月11日 (木)

近所にあるかも? 誰もが平等「コの字酒場」のススメ

近所にあるかも? 誰もが平等「コの字酒場」のススメ(写真:asameek / 123RF.COM)
写真:asameek / 123RF.COM

寒い季節、一杯ひっかけてから家に帰りたくなるのは、吞ん兵衛ばかりではないだろう。引越したばかりで近所に友人もいないし、とはいえひとりで居酒屋に行くのも気が引ける……。

そんなときふらっと立ち寄れて、ざっくばらんにお酒と会話を楽しめる場所を知っていれば心強いというもの。そこでおすすめしたいのが、「コの字酒場」だ。これは、カタカナのコの字型のカウンターを持つタイプの酒場のことで、上座・下座といった区別がなく、誰でも平等に楽しめるとフリークのみならず多くの人に人気を集めている。

今回はそんな「コの字酒場」の命名者である、コの字酒場探検家の加藤ジャンプさんに、その魅力についてお話を伺った。「中学生のころ、東南アジアの日本料理屋のコの字型カウンターで食事をし、その雰囲気やグッと距離が縮まる面白さに開眼した」という加藤さん。まずは、コの字酒場の最大の魅力から聞いてみた。

「主人とカウンター内が舞台だとすると、どの席も舞台と等距離で、店主と客とで酒場という空間をつくりあげる理想的な形なんです。コの字型のカウンターには、上座も下座もありません。年齢や性別、職業など関係なく、その時その空間に集まった人間同士として平等に楽しめるのが魅力ですね。居並ぶ顔と顔が見やすく死角がほとんどないから、どこに座る人とも話せて一体感にもあふれている。話し易い環境だから、常連さんから珠玉の一言をいただくこともあったりして」

普段、上座・下座といった立場を気にして飲む機会が多い会社員にとって、聞けば聞くほど不思議な魅力をもつコの字酒場だが、いきなり入店するのは勇気がいるかもしれない。そんな気持ちのハードルを下げる、コの字酒場での作法を教えていただいた。

「入店時の会釈は必須です! 酒場はコの字酒場に限らず社会の縮図。会釈のあとは、お互いが気持ちよくいられる態度をとっていたら、それでいいんじゃないでしょうか」

最後に、加藤さんが最近行かれたおすすめのお店を教わった。

「たくさんあるので難しいのですが……、錦糸町のすべすべ白木コの字の店、赤羽のダブルコの字の店、立石の関所と呼ばれるあのコの字酒場などキリがありません(笑)」

コの字酒場は、バックグラウンドが異なる人々が、その場、その時間を一体となってつくりあげる場所。近所にコの字酒場が見つかったら、暖簾をくぐってみよう。そのあまりの居心地の良さに、一杯ひっかけるどころでは済まないかもしれないが、新しい世界が広がるかもしれない。

【画像1】和気あいあいとした雰囲気『コの字酒場 ほさかや』(撮影:有高唯之)

【画像1】和気あいあいとした雰囲気『コの字酒場 ほさかや』(撮影:有高唯之)

●取材協力
コの字酒場探検家 加藤ジャンプ
HP:http://katojump.doorblog.jp/
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