2015年9月、東武東上線志木駅から徒歩15分の立地に誕生予定の新築マンション、「エコヴィレッジ志木 鐘の音通り」(株式会社リブラン)で、新築マンションとしては画期的なプロジェクトが進められている。その名も、「自分でつくるマンションプロジェクト」。なんでも内装を素材から選んで、自分仕様にカスタマイズできるのだとか。
地上6階建、総戸数37戸の「エコヴィレッジ志木 鐘の音通り」。今回のプロジェクトでは、そのすべての部屋が自分仕様にカスタマイズできる。無垢材の床11種類、壁の色1200色、珪藻土の壁4色×仕上げ模様4パターン、畳12色、ふすまの柄12種類などがあらかじめ用意されていて、気に入ったものを選ぶことができるという。全部を組み合わせると10の22乗以上ものバリエーションが考えられるというから驚きだ。リブラン営業部の今野孝胤さんによれば「素材の種類が豊富なだけではなく、質にもこだわっています」とのこと。
「例えば、床材の場合はカバザクラやスギ、ヒノキなど色合いや質感が異なる無垢材を選ぶことができます。無垢材は傷がつきやすいというデメリットもありますが、合板とくらべて表面温度が変わらないのに、素足で歩いたときに感じる体感温度が高かったり、滑らかな踏み心地だったりします。また、調湿性能が高い珪藻土など、自然素材を中心に用意していますね」(今野さん)
そのほか、お風呂のタイプや収納扉の色、玄関のドアノブといったパーツも選ぶこともできる。一部オプション価格がかかるものもあるが、カスタマイズの費用は物件価格に含まれているので安心だ。工事期間との兼ね合いもあり、申し込み時期に応じて選べるものに変動があるものの、もはや注文住宅と変わらないくらいの自由度だ。なお、種類が多すぎて選べない! という人にはモデルプランがあったり、インテリアコーディネーターが相談に乗ってくれるというから心強い。
このプロジェクトの背景には、同社の「新築マンションにも住む人に応じた個性を持たせたい」という思いがあるそうだ。
「一戸建てと違って新築マンションは、内装がすでに決まっているのが一般的で、購入前に自分の好みを反映できる文化はほぼありませんでした。そのため、マンション選びで重視されるのは駅からの距離や価格など。しかし、長い年月を共にする住宅なわけですから立地や値段以外の価値、例えば、好きな色が配されていたり、合板ではなく無垢材を使ったり……。そうしたこだわりが、より快適な空間になり満足度の高い住まいになるのではないか。そんな思いからこのプロジェクトはスタートしました」(今野さん)
パッケージ購入が当たり前だった新築マンションだが、近ごろは中古住宅を購入して自分好みにリノベーションして住むスタイルも増えている。そうした潮流から、新築マンションにも「カスタマイズ」という要素を求めている人が多いことに気付いたという。
「新築マンションは設備が整っていますし、内装もきれいなので満足して購入されるケースがほとんどだと思います。そうした魅力に加え、インテリアを選ぶように床や壁なども選択できるという新しい価値観を浸透させていきたいですね」(今野さん)
白いクロスに合板のフローリングで統一されたきれいな新築マンション、それでも十分なのかもしれない。ただ、自分で選んでつくった住まいと、そうではない住まいでは愛着にも差が出るはず。その差は暮らしの満足度にもつながってくるもの。そうした意味でも、「カスタマイズできる新築マンション」は、暮らしをより豊かにしてくれる進化形のサービスとして注目できそうだ。