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ケチと思われたくないのかジェネリック使う患者3割もいない

 医療費をいかに節約するかは誰にとっても大きな問題だ。

 入院や通院のほかに、医療費で大きな割合を占めるのは薬代である。特に、糖尿病や高血圧症、胃腸病などの慢性疾患の場合、長期的に薬代がかかり続けるので、負担はかなり大きい。これを安く抑える方法が、CMなどでよく耳にするジェネリック(後発医薬品、*注)である。
 
「薬代を安く抑えるコツは、ジェネリックを利用することでしょう。ジェネリックと聞くと嫌がる患者もいるため、薬局側は奨めるのを躊躇している状況で、患者側からいわないと、薬剤師が先発品を調剤してしまい高くつくケースがあります」(医薬ジャーナリスト・藤田道男氏)

  すべての薬にジェネリックがあるわけではなく、先発品との価格差もまちまちだが、一般的には先発品の2~8割程度の価格になる。

 「たとえば、病院処方の胃腸薬の場合、先発品を1か月分調剤してもらうと、薬剤料と調剤技術料、薬学管理料の合計で約7000円かかり、1年間で約8万4000円になります。これをジェネリックに替えると、薬剤料が半額になって1か月約4500円、1年では約5万4000円になり、年間約3万円浮く。健康保険を使って3割負担とすると、自己負担額は1年間で約1万円安くなります」(大病院の医療事務関係者)

  これほどの負担軽減効果があるのに、意外にもジェネリックを利用する人は少ない。前出・医療事務関係者は「先生に遠慮しているのか、ケチだと思われたくないのか、効き目が悪いと思い込んでいるのか、“ジェネリックを使いたい”と申し出る患者さんは3割もいない」という。

  ジェネリックの効き目については、厚労省が「先発品と同じ」とお墨付きを与えている。医療費削減のため、ジェネリックを多く処方している薬局には保険点数の加算があるので、薬局側が嫌がることもない。病状や体質によって医師が先発品を指定する場合もあるが、処方箋の「後発医薬品への変更不可」の欄に医師のサインがなければ、薬局で「ジェネリックをお願いします」と申し出ればいい。

【*注】特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が製造・供給する医薬品のこと。日本では近年、医療費抑制のために厚労省が普及を進めている。

※週刊ポスト2013年2月15・22日号

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