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これからの東京再開発マップ
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冨丸 幸太
2014年7月28日 (月)

東京再開発マップ2020<渋谷>ヒカリエに続く大規模再開発が進行中!

渋谷駅周辺の再開発イメージパース(画像提供:東京急行電鉄)

2020年の五輪開催にあわせて大規模再開発が進む東京。大規模再開発は暮らしや住まい方を便利にするだけではなく、再開発地や沿線の資産価値も変える可能性が高く、住宅購入検討者なら知っておいて損はない。本連載では不定期で東京都心部の再開発事情をレポート。1回目は五輪会場設置で注目される湾岸エリアと比べて話題にはなっていないが、実は2020年をメドに大規模再開発が行われる<渋谷>を取り上げる。

渋谷は超高層ビルが立ち並ぶ街に変貌

「渋谷の再開発? 渋谷ヒカリエができて随分変わったけど、それで終わりでしょう?」「駅ビルは工事しているみたいだが、街の景色を一変させるような再開発に見えない」。そういった認識は間違いで、渋谷駅周辺の再開発は今後も進み、2020年ごろには超高層ビルが立ち並ぶ街に変貌するのだ。

渋谷駅周辺の再開発エリアは大きく「渋谷駅街区」「渋谷駅南街区」「渋谷駅桜丘口地区」「道玄坂街区」の4つがあるが、それぞれに高層ビルが建つ。まず、4つの中で最大規模の再開発は「渋谷駅街区」(画像1)。その名の通り、渋谷の駅ビルを建て替えるプロジェクトであり、東急電鉄、JR東日本、東京メトロの3社で行う。

東京再開発マップ2020<渋谷>ヒカリエに続く大規模再開発が進行中!

【画像1】渋谷の駅ビルは地上46階建ての超高層ビルに(画像提供:東京急行電鉄)

「渋谷の駅ビルは、2020年に高さ230m、地上46階建ての超高層ビル(東棟)に新しく生まれ変わります。完成すると、渋谷ヒカリエの高さ180mを超え、新たなランドマークとなります。さらに7年後の2027年には西棟や中央棟も完成。渋谷駅周辺は、現在の良くも悪くも雑然とした景色から様変わりします」と、東京急行電鉄株式会社 渋谷開発事業部の大友教央さんは言う。

次に、東横線渋谷駅の旧ホームと線路跡地で行われる「渋谷駅南街区」には高さ180m、地上34階建ての超高層ビル(CG写真2)が建つ。さらに「桜丘口地区」には高さ150m以上の高層ビルが2棟、「道玄坂街区」には地上18階・高さ110mの高層ビルなどが建つ予定だ。

東京再開発マップ2020<渋谷>ヒカリエに続く大規模再開発が進行中!

【画像2】東横線跡は高層ビルと緑化空間として再開発(画像提供:東京急行電鉄)

現在、渋谷駅周辺の高層ビルと言えばセルリアンタワーやヒカリエぐらいしかないが、これらの再開発が終了した暁には、渋谷は超高層ビルが立ち並ぶ街に変貌する。

ハチ公広場は再整備されて、より快適なスペースに

飲み会やデートの待ち合わせなどで多くの人が利用したことがあるハチ公広場や、スクランブル交差点はどうなるのだろうか? 街がコンパクトで移動しやすかった渋谷駅に高層ビルがたくさんできてどう変わるのだろうか?

「高層ビル化し、縦の空間を有効活用することによって空いた地上のスペースは、広場や緑化空間として整備します。例えば、ハチ公広場は1.5倍に広がります。南街区の東急東横線の線路跡地には、緑化された遊歩道をつくる。高層ビル間の移動もデッキや地下通路などでつないで回遊できるようにすることで、雨にぬれずに快適に移動できるようになります」(大友さん)

高層ビルがデッキでつながれた姿はまさに〝未来都市“と言えそうだが、渋谷が目指す姿は何だろうか?
「渋谷が目指す街は、国内の都市には存在しません。エンターテインメント性が豊かな米ニューヨークのタイムズスクエアとITビジネス拠点のシリコンバレーをミックスしたような先進的な都市にしたい」(大友さん)

東京再開発マップ2020<渋谷>ヒカリエに続く大規模再開発が進行中!

【画像3】ビル間をデッキなどでつないで回遊しやすいように(画像提供:東京急行電鉄)

スクランブル交差点にあるモニターやShibuya109ビルなどエンターテインメント色が強いイメージは残しつつ、新たにビジネス拠点としての魅力をより強くする。実際、これまで他の都心と比べてビジネス拠点としては弱いイメージがあったが、最近変わりつつあるようだ。

サイバーエージェントなどに加えて、DeNA、KDDI、LINEなど有力なIT企業のオフィスが渋谷に進出。再開発の高層ビルもオフィスが大半であり、そこに入る企業が増えることでビジネス拠点としての魅力は高まる。

「再開発により遊びはもちろん、ビジネス拠点としての魅力が高まります。職住近接を好むビジネスパーソンが渋谷の近隣に住むことで、渋谷はさらに活性化される。若者だけではなく、働くオトナが楽しめる街になる」と、大友さん。

渋谷再開発の4街区のうち、住居が入るのは桜丘口街区だけ。しかも、外国人向け高級レジデンスや高級マンションが多く、渋谷に住む選択肢としては非現実的かもしれない。だが、渋谷が凄いのは、過去にリクルート住まいカンパニーが行った「住みたい街ランキング」トップテンの駅(吉祥寺、恵比寿、池袋、中目黒、横浜、自由が丘、新宿、品川、武蔵小杉、表参道)すべてから電車直結で行けること。〝渋谷沿線“に住むことで、魅力を謳歌できるだろう。

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これからの東京再開発マップ 2020年をひとつの焦点に、大きく変わろうとしている東京。品川、新宿、渋谷など、注目の再開発エリアがどうなるのか紹介します。
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