芸能

モノマネ芸人長期で活躍多い背景に「営業で強いから」との指摘

 ブレイク中の女芸人・キンタロー。(31才)を始めとして、福田彩乃(24才)など数多くモノマネ芸人が、活躍している。古くはモノマネ四天王に始まり、その次の世代であれば、原口あきまさ(37才)、コージー冨田(45才)、ほり(36才)など。これだけ“量産”されながらも、浮き沈みの激しい芸能界で、長期間活躍している人が多い。いったいなぜだろうか? そこにはある理由が…。コラムニストのペリー荻野さんが分析した。

 * * *
 先日『情熱大陸』(TBS系)で福田彩乃が密着されていて、新ネタで常盤貴子をやっていたのですが、芸能界に疎い人は福田彩乃という名前は覚えなくても“常盤貴子をやっていたあのモノマネのあの子”と記憶に残っていく。モノマネ芸人って、モノマネのネタで覚えてもらえるメリットがあると思います

 芸のすごさもある。彼らは、感覚や思いつきでやっていると見られがちですが日ごろから、ものすごく芸を磨いている人が多い。福田彩乃も番組内で、骨や筋肉を動かしながら声の出し方を調節すると言っていました。しかも何度もDVDを見ながら、練習してコツコツレパートリーを増やしている。以前、コロッケにインタビューしたときも、ひとつのネタを完成させるのに顔や体の動きから徹底的に研究すると話していました。だから、彼らは長く活躍できるのかなと思います。

 それに、売れる芸人は視点の面白さが抜群です。キンタロー。にしても、今まで前田敦子のモノマネをやった人はいたと思いますが、あのレベルまでやれる人はなかなかいなかった。彼女のネタも、前田敦子の総選挙での名言や卒業宣言での“あの瞬間を”切り取ったから面白いわけで。こうした場面の選び方に芸人のセンスが出ますよね。
 
 もうひとつ、モノマネ芸人の仕事の安定性というところにも触れておきます。ある程度売れている人なら、主な仕事としては、テレビのバラエティー出演がありますが、モノマネ特番も定期的にありますよね。日本テレビでもフジテレビでもやっているので、そこに照準を合わせていいネタを持っていけば、この番組には出られるわけです。ベテランである程度実績あれば、ずっと出ている人もいますよね。

 もちろん、以前活躍してたのにテレビにあまり出なくなった人や、そもそも売れていなくてテレビに出られない人も大勢いますが、モノマネ芸人の場合は、普通の芸人よりも営業に強いということが言えると思います。営業先には、ライブハウスから地方のイベント、温泉地でのショー、披露宴の余興のようなものまでありますが、モノマネって年代や性別問わず誰にでもわかりやすくて盛り上がりやすい。知名度のない芸人が営業先でネタをやって会場を漫才やコントで盛り上げようと思っても、そう簡単じゃないですから。

 有名歌手や大物芸能人の名前を出して芸ができるということも営業では強みとなる。美空ひばり、和田アキコ、美川憲一、矢沢永吉といった大物歌手のモノマネをしている芸人はいっぱいいますが“モノマネ芸人の誰々です”と言われてもピンとこないけれど、“永ちゃんに声も見た目もそっくり”、“美空ひばりの歌マネをやらせたら日本一”、なんていわれたらちょっと見てみたくなるでしょ。こういった有名芸能人のネタをいくつも持っている芸人なら、アピール効果はかなり大きいです。

 こうしたことから考えると、キンタロー。が来年、消えるんじゃないかという声が早くも出ていますが、これまでの一発屋芸人と違って、彼女はモノマネ芸人ですからね、意外と長く活躍を続けるかもしれません。

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン