ハードウェア

次世代不揮発性メモリ「RRAM」は1枚のチップに1TBのストレージを搭載可能


従来型のフラッシュメモリーに比べて消費電力が20分の1で済み、書き込み速度は20倍、半分の大きさでも耐久力は10倍だという高速・高性能なメモリー「RRAM」をベンチャー企業Crossbarが開発しました。「次世代の不揮発性メモリー」をうたっており、ごく小さな1枚のチップ上に1TBのストレージが載せられるようになっています。

Crossbar - Crossbar Emerges from Stealth-Mode; Unveils Crossbar RRAM Non-Volatile Memory Technology
http://www.crossbar-inc.com/events/press-releases/crossbar-emerges-from-stealth-mode.html

PCやスマートフォンに組み込まれるストレージの容量は年々増加してきていますが、それに伴って消費電力が増加して放充電の回数も増え、バッテリーの寿命は短くなっています。この状況を打開する新しい技術として、Crossbarが8月5日に発表したのが「Resistive RAM(RRAM)」。従来のフラッシュメモリーに対して消費電力が20分の1と大幅に少ないため、RRAMを使うことで端末のバッテリー寿命は数週間から1ヶ月、長いと1年は伸びるとみられています。

By Prime Number

RRAMの大きさは200平方mmで郵便切手よりも小さいのですが、ここに250時間のHDムービーを記録できる容量に相当する1TBのストレージを搭載することが可能。また、RRAMはお互いに積み重ねることができるので、端末内に数TBのストレージを組み込めるようになります。

By The 10 cent designer

Crossbarによると、RRAMのメモリアレイはすでに製造に入っていて、製品化しての販売や他の会社へのライセンスを計画中。RRAM技術自体は3層からなる単純な構造なので製造は難しくなく、商業化へ向けての準備は整っているとのこと。


メモリセルの構造は非金属製の下面電極・アモルファスシリコン製の切り替え媒体・金属製の上面電極の3つからなっており、単純性にこだわった構造は将来的に従来の全てのCMOS方式の製造ラインに組み込むことができるということです。RRAMはこれまでに30の技術特許を取得しており、スタンドアロン型チップ市場への流通に向け従来のNOR型・NAND型フラッシュメモリーのコードへの最適化も済んでいます。Crossbar社はこのRRAMを使用したデバイスも完成させており、SoC市場への初の製品として販売計画も進んでいます。

By dougwoods

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in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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