【緩募】福島第一原子力発電所が、再び大地震や大津波に見舞われた際に生じうる「最悪のシナリオ」とは?

・横から茶々を入れている人は省略しましたm(_ _)m
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Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【緩募】福島第一原子力発電所が、再び大地震や大津波に見舞われた際に生じうる被害についての(信頼できる)定量的な評価があれば(webでも出版物でも)教えていただけると幸いです。下記ページの「8.原子炉注水系に関する・・」は知っています。 http://t.co/hM8qZe9cq2

2013-05-08 18:07:16
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【1/5】原発事故のすぐ後、ぼくは「今ごろ、原子力工学の専門家たちは不眠不休で一般向けの本格的な情報発信の準備をしているんだろう」と信じて疑わなかった。だって、自分が愛して人生をかけて研究してきた分野でこんな悲惨なことがおきてしまったのだから。

2013-05-09 10:42:42
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【2/5】いろいろなものが出てくると勝手に信じていた。特に期待していたのは、「現時点での『最悪のシナリオ』」だ。各々の炉のパラメターとその時点で入手しうるデータを総合して客観的にシミュレーションし、何がありうるかを淡々と述べたもの。

2013-05-09 10:42:50
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【3/5】もちろん何もないにこしたことはない。だが、万が一にしろ、どの規模の事故が(どの程度の確率で)ありうるかは、皆が知っておくべきだ(それは、今でもそう思う)。時間が経って短半減期核種が減っていけば危険は徐々に下がる。逆に、小規模な事故があれば(推測される)危険は上がる。

2013-05-09 10:43:03
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【4/5】そういった時々刻々の変化もずっとシミュレーションして、「ありうるシナリオ」を発表してくれるとはずだと信じていた。さすがに、こればっかりは、(物理学者も含む)周辺の分野の科学者の手には負えない。原子炉のプロの独壇場だ。

2013-05-09 10:43:12
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【5/5】だが、けっきょく、ぼくが知る限り、原子力工学者からそういう情報発信はなかった。そういう客観的な情報がなかったことは多くの弊害を生んだと思う。既に圧倒的に手遅れなわけだが、それでも、事故は収束していないのだから今からでもやればいいのに。やってください。

2013-05-09 10:43:21

@f_zebraさんの解説

Flying Zebra @f_zebra

これができるのは実は原子炉のプロではなく、確率論的リスク評価とかをやっている事故解析のプロ。そんなに多くはいないのが実情です。 RT @HalTasaki_Sdot: …シミュレーションして、「ありうるシナリオ」を発表してくれるとはずだと信じていた。…原子炉のプロの独壇場だ。

2013-05-09 12:22:07
Flying Zebra @f_zebra

今から起きうる事態という意味では、1Fの現状は既に原子炉というより放射性廃棄物の暫定的な管理設備なので、最悪シナリオを作ってもあまり意味がないように思います。 RT @HalTasaki_Sdot: 事故は収束していないのだから今からでもやればいいのに。やってください。

2013-05-09 12:26:44
Flying Zebra @f_zebra

私個人は地震と津波に続いて1Fで事故が起きた時、何がどうなっているのか全く分かりませんでした。放射性物質をリークするとは本気で思っていなかったので、1号機が爆発した時は本当にびっくりしました。水素爆発なのは分かったけど、なぜ起きたのか本気で分かりませんでした。

2013-05-09 12:31:37
Flying Zebra @f_zebra

程なく、動いていると思った冷却系が動かず炉心損傷に至ったことを理解しました。何が起きてこの先どうなるのかの見通しがある程度ついたのは、1週間ほどして全ての炉で安定して注水できるようになってからでした。

2013-05-09 12:35:28
Flying Zebra @f_zebra

4号機での爆発の原因が分からず、プールが冠水していることがヘリからの目視で確認されるまでは使用済燃料のジルコニウム火災という評価の難しいリスクが(可能性は低いものの)懸念されていましたが、冠水が確認されたことでその懸念も消えました。

2013-05-09 12:38:44
Flying Zebra @f_zebra

ある程度情報が整理され、「最悪シナリオ」のシミュレーションが可能になるのは事故発生から最低でも2~3週間後でしょうが、その頃には既に最悪シナリオは回避されていました。それ以降は大規模な放射性物質の放出はほぼあり得ないことが明らかとなり、それは何度も発表されていたはずです。

2013-05-09 12:42:07
Flying Zebra @f_zebra

原子力の専門家からの情報発信が十分だったとは全く思いません。私自身、的外れな「懸念」が検証もされず報道され、拡散されるのを歯痒い思いで見ていましたが、ごく親しい一部の人以外に対しては1年近く完全に口を噤んでいました。

2013-05-09 12:48:53

Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@f_zebra ありがとうございます。ただ、現在の施設で、冷却機能などが完全に停止して一定の期間を経たとき、どこまでの事態が生じうるのかは知っておきたいと思うのですが。もちろん、事故当初と質が違うというのは理解しているつもりですが。

2013-05-09 13:23:32
Flying Zebra @f_zebra

.@HalTasaki_Sdot 手元に資料がなく(探す気力が…)定性的な話になりますが、私が理解している範囲で簡単に説明します。

2013-05-09 14:48:09
Flying Zebra @f_zebra

事故時まで臨界していた燃料も、未臨界から2年も経てば短半減期の放射性生成物はほぼ崩壊し尽くし、今後は比較的長半減期の核種が崩壊するだけなので、線量も崩壊熱も落ち着いています。結構な熱量ですが、冷却が止まっても沸騰するまで何日もかかります。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:48:30
Flying Zebra @f_zebra

沸騰したまま更に放置すれば、冷却水が蒸発して燃料デブリや使用済燃料が気中に露出することになります。水の遮蔽がなくなれば周囲に人が近付くのは難しくなりますが、それ以上悪化することはありません。発電所敷地外への影響は特にありません。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:48:52
Flying Zebra @f_zebra

炉内のデブリについては、元々臨界状態を想定して遮蔽された格納容器の中にあるので線量は問題になりません。崩壊熱も空気やコンクリートとの接触面を介して大気に放熱できる程度なので、再溶融してコンクリートを溶かすような事態は考えられません。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:49:09
Flying Zebra @f_zebra

水以外に遮蔽もなく大気に開放されている使用済燃料プールの方は少し厄介です。現在の崩壊熱では冷却水が完全に失われても空気の対流だけで燃料集合体の健全性は維持できますが、原子炉建屋内の線量率はかなり高くなるでしょう。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:49:52
Flying Zebra @f_zebra

可能性は極めて低いでしょうが、複数ある注水系統が全て使えなければ、再冠水させるには放射線防護した放水車で外から放水するような必要が出てくるかもしれません。いずれにせよ困るのはプラントにいる人たちで、敷地外への影響は考えられません。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:50:02
Flying Zebra @f_zebra

外部へ影響があるとすれば、汚染水の流出でしょうか。小規模なものは比較的簡単に起こり得ますが、影響も限定的です。大規模な流出は自然災害などの大きなエネルギーが働かない限り考えにくいですし、その場合は他の被害も大きいのでやはり影響は限定的でしょう。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:50:24
Flying Zebra @f_zebra

つまり、プラントの現状については私自身を含め収束作業や設備維持の当事者ではない人が心配すべきことはもうなくなった、というのが私の理解です。既に放出されてしまった放射性物質やそれによる社会的影響はもちろん別で、解決すべき問題は山積みです。 @HalTasaki_Sdot

2013-05-09 14:50:31
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@f_zebra まさに、そういった見通しをお伺いしたかった(特に、使用済み燃料が今どれほど「悪辣」であるか)。きわめて有益でした。本当に、どうもありがとうございました。

2013-05-09 15:15:50