総務省「通信利用動向調査」によれば、2011年末のスマートフォン(以下スマホ)の世帯普及率は29.3%で、これは前年末(9.7%)の約3倍。しかしスマホ端末が普及する一方で使い方に不安を持つ人も多く、「スマホ講座」でネット上を検索すれば多数の講座がヒットする。
それだけ需要があるということだろうが、日本で唯一の「生涯学習学部」を設置している学校法人八洲(やしま)学園 八洲学園大学 も、今年4月「初心者向けスマホ・SNS(facebook/twitter)活用講座」を開講。講座にはiPhone・iPadを使用し、購入後すぐに設定しておくと便利なことやカメラ操作、セキュリティ、PC との同期など、iPhone・iPad を使いこなすための基本知識と操作の無料講座のほか、有料で写真アプリやSNSの楽しみ方も。
八洲学園によると講座には若い人だけでなく、60代の方も参加したとのこと。スマホ=iPhoneを使用したのは、幅広い年代に通じる圧倒的な知名度と、Androidでは端末をつくっているメーカーによってインターフェースが全然違い、単純で使いやすいのがiPhoneだからだという。
同講座では、有料でシニア向けのものも開講。シニア市場はどの業界もマスの大きさとその需要に熱い視線を注ぐが、携帯業界にもその流れがあるのだろうか。“おばあちゃんの街”ともいわれる東京・巣鴨の携帯ショップの店員は、
「スマホを買いに来られるご年配の方は増えてきています。シニアというか、50代・60代の方はよくいらっしゃいますね。家族の方(娘・息子)やお孫さんにすすめられて、一緒に店にいらっしゃるという方が多いです」
と実感を語る。ショップ店員の立場としてアドバイスするのは、
「50代以上になってくると、お孫さんや家族の方とのコミュニケーションということで、電話やメール以外にもテレビ電話をしたいという理由から、スマホに興味を持つようになる方は結構いらっしゃいます。スマホでユーザーインターフェースが優れ、しっかりテレビ電話(「Facetime」など)に対応している機種というのはiPhone以外にあまりないので、そういう方はiPhoneをご希望されるようです。
こちらとしても操作がとにかく簡単なiPhoneは年代問わず、初心者の方に勧めやすいです」
とのこと。ちなみにキャリアや機種についても聞いてみたところ、次のような回答だった。
「世代的には元々ドコモを使ってる人が多いのですが、スマホに乗り換えるときにiPhoneに興味を示す方は結構いらっしゃいます。Androidよりも直感的で使いやすいということが大きいですね。
もともとauを使っている人のなかにはauのまま使いたいという人もいますが、今はキャリアを変えても番号はそのままの“ナンバーポータビリティー”もありますし、乗り換えるときに“これまで使っていたキャリア”にはそれほどコダワリを持っていない方のほうが多い印象があります。
家族にすでに昔からSoftBankのiPhoneを使っている方や、学生のお子さんがいて、家族割だったり、学生家族割などを適用するために合わせてSoftBankにするという方は多いです。乗り換えのキャンペーンなどもよくおこなっていますし、料金がauに比べて月々1050円お得と、一番安くて持つことができる点が魅力ですね」(携帯ショップ店員)