6月10日に米サンフランシスコで開催されるアップルの開発者向け発表会WWDC。1週間後に迫った発表を前に、アップルは新たな音楽配信サービスの実現のために猛ラッシュをかけているようです。

新しい音楽ストリーミングサービス、通称「iRadio」の開始に向け、アップルがワーナー・ミュージックとのライセンス契約に合意したことを米各紙が伝えています。今回のWWDCでは、かねてよりiPhoneの後継機種や廉価版モデル、はたまたMacBookの次世代機リリースが噂されていますが、アップルの思惑としてはその主題はハードではなくソフト、新たな音楽配信サービスにあるのかもしれません。

iRadioのリリースに向け、アップルはすでにユニバーサル・ミュージック・グループと、録音された音楽の使用権について合意をしています(音楽を出版する権利については未合意)。New York Timesの6月2日の記事によると、ワーナー・ミュージック・グループとは双方の権利について合意。さらにソニー・ミュージックとその出版部門Sony/ATV(レディ・ガガなどが含まれる)とは、現在も交渉が続いているようです。

Warner Chappell.jpg

以前、米Lifehackerの翻訳記事として「日本でも使える海外音楽ストリーミングサービス4選」を掲載しましたが、原文では「日本では使えない」サービスも多く紹介されています。日本進出が間近ともいわれているSpotifyやPandora、Rdioなどに加え、先月はグーグルも「All Access」を発表...。音楽ストリーミングサービスは、まさに注目の分野といえます。

海外で評価されているサービスを、日本未対応を理由に紹介できないのは、とても悔しい思いがするわけで。iRadioがすぐに日本にやってくるとは限りませんが、今回のWWDCが起こすであろう波に、期待せずにはいられません。

(年吉聡太)