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やまくみさん正方形
山本 久美子
2012年7月18日 (水)

超低金利のフラット35、中古+リフォームで使いやすくなった

住宅ローン「フラット35」の7月適用金利が35年返済で1%台と過去最低となった。しかも、7月からは中古住宅をリフォームする場合に利用しやすい商品も登場した。この見逃せない情報を追ってみた。

「リフォームパック」の登場でリフォーム資金もまとめて借りられる

「フラット35」は、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携する長期固定金利の住宅ローン。提携先の金融機関によって金利は異なるが、7月の金利(21年以上35年以下の買取型の場合)が1.94%~2.89%の幅で、最も多いもので1.94%になった。1%台という金利は、直接融資を行っていた旧住宅金融公庫時代を含めても、過去最低に下がったことになる。

35年などの長期間にわたり金利が1%台という魅力的なローンであるが、「融資額は購入価格の9割まで」(ただし、フラット35Sエコは10割)となっている。特に築年の古い住宅の場合は入居時にリフォームをすることも多いが、かつてはリフォーム工事の資金は別途リフォームローンなどを借りる必要があった。ところが、7月9日より「中古住宅特例融資」によるフラット35の融資額の引き上げと「リフォームパック」の取り扱い開始が始まり、リフォーム資金も同時に借りられるようになった。

省エネリフォームなら、さらに金利の引き下げも受けられる

具体的な仕組みはこうだ。中古住宅を2000万円で購入し、500万円のリフォームをする場合、かつては2000万円の9割つまり1800万円までしかフラット35が利用できなかった。これが「中古住宅特例融資」を利用することで、購入価格+リフォーム費用の9割(ただし、購入価格の10割が上限)までフラット35が利用できるので、2000万円(この場合は購入価格の10割が上限)までフラット35の限度額が上がる。
さらに、「リフォームパック」を利用すれば、残りの500万円も合わせて、必要な資金が全額借りられることになる。(ただし、残り500万円は提携金融機関のパッケージローン)

また、一定の基準を満たす住宅の場合は、「フラット35Sベーシック」や「フラット35Sエコ」(注)という一定期間金利の引き下げを受けられる制度もある。例えば、サッシを複層ガラスにするなどのリフォーム工事を行ったことで、「フラット35Sエコ」が利用できるようになった場合、フラット35Sエコが借りられる2000万円までは、当初5年間は0.7%、6~10年目までは0.3%金利が引き下げられる(東日本大震災の被災地以外の場合)。

注)平成23年度第3次補正予算に伴う制度拡充終了日(24年10月31日予定。ただし、予算金額に達する見込みの場合は早期に終了)の翌日からは、フラット35Sベーシックと同じ条件(当初5年間0.3%の金利引き下げなど)になる予定。

現時点でリフォームパックを取り扱っているのは、SBIモーゲージとイオン住宅ローンサービスのみだが、こうした制度を上手く利用すれば、リフォーム費用がかかったとしても、低金利の恩恵で取り戻せることも考えられる。

【フラット35】リフォームパックについて/住宅金融支援機構
HP:http://www.flat35.com/loan/reform.html
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