この春に就職や転職で新しい職場に身を移した人も多いだろう。なかには、心機一転、いままで勤めていた会社から独立してフリーランスになったという人もいるかもしれない。ひとくちにフリーランスといってもさまざまな職種があり、職場もそれによってそれぞれ異なるが、今回はなかでも“自宅で仕事をするということ”に注目したい。
自宅が仕事場であれば、出勤の手間が省けたり、合間に家事を手掛けることができたりとメリットも考えられるが、やはり「モチベーションが保てない」「自己管理が難しい」といった声もよく耳にする。
そこで、All Aboutで「在宅ワーク」についてガイドをされている宮田志保さんに、“自宅で仕事をする人の悩みと解決法”を伺ったのでご紹介したい。
なるほど、当然かもしれないが、会社組織にいるときには起こりそうもない問題ばかりだ。では、これらの問題点を解決し、快適な環境で仕事をするためにはどうしたらいいのだろうか? 問題点ごとに解決法を教えていただいたので、それらをまとめてご紹介する。
■リビングを仕事場とする場合など、守秘義務が徹底できない
「最近では、フリーランスであっても守秘義務誓約書などの提出は必須になってきています。家族であっても気安く仕事の内容を話したり、書類を見せたりはすることは控えましょう。また、鍵付きの保管庫やシュレッダーなどもそろえておきましょう」
■仕事とプライベートが混合してしまう
「たとえば布団を干しながらでも仕事ができるのが、在宅ワークの魅力ですが、得意先の担当者は会社にいます。子どもに受話器を取らせたり、テレビを大音量でつけながら電話で話すのは、相手に不快感を与えるため控えたほうが賢明です」
■時間管理が難しく、24時間営業となってしまう
「家族が寝静まったあとで仕事をしようと考えていると、つい徹夜になってしまったという話しをよく聞きます。納品物のクオリティの高さを維持するためにも、体調に配慮した作業時間を確保しましょう」
■仕事上の悩みなどを気軽に相談できる相手がいない
「在宅で作業をする場合は孤独になりがちですが、実は同業の在宅ワーカーはたくさん存在しています。自治体、NPO主催の交流会や、ネットなどを通じて、いざという時に助けてくれる仲間をつくっておくと心強いですよ」
■パソコンや周辺機器が壊れると仕事ができない
「腕の良い在宅ワーカーは、PCスキルが高い人が多いようです。また、大半の在宅ワーカーが、万が一のことがあったときでも、納品に遅れないようセカンドPCを持っています。データの管理についても、外付けのHDや、クラウド環境を利用し、何があっても万全の体制で仕事ができるよう、日ごろから心がけておきましょう」
以上、問題点とその解決法をご教示していただいた。現在、フリーランスで在宅ワークをされている方、またこれから目指そうという方に、少しでも参考としていただけたら幸いだ。