住まいの雑学
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2012年8月26日 (日)

若者の旅行に欠かせないユースホステルの最新事情を調査してみた

若者の旅行に欠かせないユースホステルの最新事情を調査してみた

8月26日はユースホステルの日。ドイツの小学校教師だったユースホステルの創始者リヒャルト・シルマンは、1909年のこの日、生徒たちと遠足に出掛けた際、突然の大雨のために翌朝までその小学校で過ごすことになった。この経験から、青少年の旅に安全かつ安価な宿泊場所を提供しようと、ユースホステルを創設したことに由来する。

ところでこのユースホステル、ホテルより安く、相部屋で、国内外問わずお金のない若者が旅行する際に利用する、といったイメージがあるが、本当のところはどうなのだろうか。ここではこの日にちなんで、日本ユースホステル協会のホームぺージを参考に、現代のユースホステルについてまとめてみた。

■そもそもユースホステルとは
ユースホステルは、ドイツで生まれた世界的な「旅の宿」ネットワークのこと。だれもが安全に楽しく、そして経済的に旅ができるようにと考えられたもの。宿泊料金は日本の場合、1泊 3200円前後(2食付で5000円程度)。部屋は基本的に男女別の相部屋で、1部屋が4人から8人ぐらい。2段ベッドの洋室(日本では畳部屋もあり)が一般的。

■ユースホステルってどのくらいあるの?
現在世界80カ国、4000のユースホステルが存在。日本には北海道から沖縄まで約270のユースホステルがある。

■ユースホステルを利用するには?
ユースホステルを利用するには、会員証が必要。各都道府県にあるユースホステル協会または最寄りのユースホステル案内所、全国のユースホステルにて、簡単な手続きで会員証が取得できる。この会員証は世界共通で、日本で取得すればどこの国のユースホステルでも有効。

■女性の一人旅や家族連れでも利用できる
ユースホステルは一人旅でも男女問わず、もちろんOK。基本的には男女別の部屋に別れているが、家族やグループでの個室利用も可能だ。最近では多様化するニーズに応えて、1泊2食付5800~6500円程度で1人~6人の定員、家族やグループによる一室利用も可能な、ユースゲストハウスというものも登場している。

しかしWikipediaでは、最近の日本では若年層のユースホステル利用者は減少傾向にあり、かつてはあまり見られなかった高齢者、家族連れの利用が多くなったと掲載する。これは、面識のない他人との相部屋を嫌う若者が多いことや、安価な国際線が多く流通することで、若者の海外旅行が多くなったことなどを原因として挙げている。

そこで浅草橋にある、東京隅田川ユースホステル総務部長の東正一さんに、最新事情を聞いてみた。

「当ユースホステルのご利用客は、外国人4割、日本人6割となっています。以前は6割が外国人のかただったのですが、東日本大震災や円高の影響で、最近では減っていますね。ご利用目的としては、東京という立地のためか、観光だけではなく、受験や就職活動、ビジネスなどさまざまです」

では最近の若者の利用者離れについては?

「確かに中高年の利用者が増え、若いかたは減っていますね。かつてはミーティングやゲーム、みんなで歌を歌ったりなど、利用者同士の交流も多かったのですが、今では少なくなってきています。やはり、他人の干渉や相部屋を嫌ったりする傾向がみられますね」

なるほど。全国で一様にそうした変化がみられるわけではないだろうが、若者の生態の変化、時代の移り変わりとともに、本来青少年のための宿泊施設であるユースホステルの利用形態にも変化が生じてきているというわけだ。

“お金がなくても自由気ままに旅ができるのは若者の特権”、“見知らぬ土地で見知らぬ人と触れ合うのが旅の醍醐味”、などといわれていた時代もあったが、今はもう昔。その時代の移り変わりは、少々寂しい気もするが…。

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