既製品を買ったり、専門業者に頼むのではなく、自分の手で生活空間をつくったり、修理をしたりするDIY(Do It Yourself)。賃貸の場合は退去するときに原状回復をしなければならなかったりして、持ち家でないとなかなか手を出せないものでしたが、最近では原状回復義務のない賃貸物件も登場してきており、若者を中心に、DIYを楽しむ人が増えてきています。今回は『DIY住宅』を提供しているUR都市機構に『UR-DIY部』が発足したということで、第一回の活動に密着してきました。
「ファッションの場合、色や柄などそれぞれのニーズに応える選択肢がたくさんありますが、賃貸住宅は画一的。そこで、それぞれのニーズに応えるべく、自由にお客様の好みに合わせて内装を変えられる『DIY住宅』をUR都市機構は提供しています」と語るのはDIY部顧問で団地マネージャーの西山さん。
そもそも、UR都市機構が提供するDIY住宅とは、原状回復義務が原則免除で、DIYのプランニングと施工期間として、月額家賃3カ月相当が無料になる賃貸住宅。入居者がDIYを行うことが前提なので、内装は、一部未補修のままで入居するということですが、原状回復の心配や施工期間の3カ月分の家賃のことは気にせず、自分好みの部屋に気軽にカスタマイズすることができるそうです。
今回UR-DIY部の活動が行われた箕面粟生第3団地は、このDIY住宅を募集している団地のひとつ。団地内にはすでにDIYによって生まれ変わったモデルルームがあり、DIYでどんな風に住まいをカスタマイズできるのか、実際に見学することができます。
「DIYをやってみたい」「DIYって楽しそう」と思っても、なかなか一歩踏み出せない人は多いはず。実際、UR都市機構の方たちもDIYをしたことがないという人が多く、自分が体感しないことにはお客様に勧めるときに説得力がない!ということで、今回のDIY部発足に至ったそう。
ということで、今回の第一回の活動に参加しているのは若い職員を中心に集まったDIY初心者ばかり。1日で現地販売所の壁と床を一新するということで、壁紙貼りやペンキ塗りの指南役に輸入壁紙などを販売する「壁紙屋本舗」の方を迎え、DIYがスタートしました。
今後のUR-DIY部は団地内の古くなった集会所を使って、住民の方たちと一緒にDIYをするイベントなどを考えているそうですが、まずは、まだまだ言葉自体知らない人の多いDIYの認知度を上げ、楽しさを広めていきたいとのこと。
筆者もDIY初体験でしたが、想像していた以上にペンキを塗ったり、壁紙を張ったりする作業自体が楽しくて驚かされました。今回はお手伝いをさせて頂いただけですが、これが自分の住まいで、壁の色や柄を考えたり、家具をつくったりするとしたら、どれだけワクワクするんだろう!と思ってしまいます。
棚を一つ付けてみたり、扉に壁紙を貼ってみたりするだけでも、DIY。まずはちょっとした部分から自分好みの空間をつくる楽しさを体感してみてはいかがでしょうか。