7年後、東京ではオリンピックとともに、障害者スポーツの祭典「パラリンピック」も開催される。この大会の意義を深く理解するための様々な背景を解説しよう。
「パラリンピック」という言葉は日本発祥といわれる。
1948年のロンドン五輪に併せ、ストークマンデビル病院で、リハビリの成果を競うため16人(男子14人・女子2人)の車椅子患者によるアーチェリー大会が開催されたのがパラリンピックの起源。
パラリンピックという愛称は1964年、東京五輪の1か月後に同大会が東京で行なわれた時に名付けられた。車椅子に乗る人だけが参加する大会であることから、「対麻痺者(パラプレジア)のオリンピック」ということでパラリンピックとなったという。日本人が命名したのはほぼ間違いないが、誰の発案かは、今もって不明といわれている。
その後しばらくこの名称は使われなくなったが、1988年のソウル五輪後に行なわれた大会から復活している。この頃には車椅子使用者だけでなく様々な障害を持つ人が参加していたため「パラリンピック」は、「パラプレジア」ではなく、「もうひとつの、同時に」などの意味を持つ「パラレル」とオリンピックの合成語と定義されるようになった。
※週刊ポスト2013年11月8・15日号