【CEATEC 2013 Vol.24】東京オリンピックまでに5G環境 ドコモ | RBB TODAY
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【CEATEC 2013 Vol.24】東京オリンピックまでに5G環境 ドコモ

ブロードバンド 回線・サービス
ドコモの次世代移動通信「5G」の紹介ブース
  • ドコモの次世代移動通信「5G」の紹介ブース
  • 仮想的な都心部を想定したシミュレーター。ここではLTEと5Gの世界を比較して説明。スモールセルを臨機応変に配することで、1Gbps(赤い色の部分)のスループットを実現
  • 「5G」の主な特徴。従来の1000倍以上の超大容量と、100倍以上の超高速通信を実現
 CEATEC JAPAN 2013のNTTドコモブースでは注目の次世代移動通信技術「5G」について紹介していた。

 5Gは従来の1000倍以上の超大容量と、100倍以上の超高速通信を実現する次世代通信技術だ。NTTドコモでは、LTE Xiに「ストロング」を掲げ、品質を意識した環境を提供してきた。2013年度中に通信速度を下りで最大150MMbpsまで引き伸ばす予定で、2015年にはトラフィックが多い場所でも大容量通信が可能なLTE-Advancedの投入も控えている。

 ただし2010年から2015年までのトラフィックの伸びは想像以上に激しく、5年間で24倍まで増える。さらに2020年代には1000倍以上になると予想されている。このような状況の中で、NTTドコモでは次世代移動通信技術5Gの研究に取り組んでいる。

 一般的に広帯域を使うことで、より多くのデータを伝送することが可能になる。しかし既存の通信帯域幅は逼迫しており、高帯域化のためには、高周波数を使うほうがよいとされる。そこで5Gでは現在使用されていない、さらに高い周波数帯を使うという。とはいえ、高い周波数帯を利用することは、簡単なことではない。

 なぜなら高い周波数帯だと電波が遠くに届きにくくなるからだ。1つの基地局で幅広いエリアをカバーする「マクロセル」では、電波を確実にユーザーに届けるためには低い周波数を使ったほうがよいのだ。

 5Gでは、1つの基地局がカバーするエリアを狭めた「スモールセル」を複数ぶん配置することを前提とし、このスモールセルで高周波数帯を使って高速通信を実現する。特にトラフィックが集中するエリアに対してスモールセルを配置し、多くのユーザーが使った場合でも高速通信をサポートする。一方、スモールセルが不要なエリアに対しては、従来のマクロセルを適用することで、効率のよい運用を行なう。

 さらにNTTドコモでは高周波数帯の電波を確実に届ける技術も研究中だ。高性能アンテナを利用し、基地局配下の端末に対して受信品質を劣化させない技術だ。また、遠くても安定した通信が提供できる技術も検討している。この際にポイントになるのは、それぞれの場所において、どのような電波状況になるのかを把握すること。無線は生き物なので視覚化して見せることが重要になる。

 展示ブースでは、仮想的な都心部を想定したシミュレーションを実施していた。人がたくさんいるエリアで、将来的に4K動画サービスを利用すると、リアルタイム再生が困難になることが想定される。5Gでは、人が多いエリアで、ファイルサイズが大きいサイトを閲覧した場合などに、前述のようにスモールセルを配置して高速通信を可能にする。もちろん4K動画サービスや高度なクラウドサービスなども提供できるようになる。

 NTTドコモでは2020年度に向けて、より良い高品質なサービスをユーザーに提供できるように5Gの国際標準化を進めていく方針だ。目標としては、2020年の東京オリンピックまでに、5Gを体感できる環境を実現したいという。
《井上猛雄》
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