Googleは今月初め、ウェブアプリをデスクトップで使えるようにする「Chromeパッケージアプリ」を発表しました。その結果、ブラウザベースのアプリでは想像もできなかったような、とても便利でパワフルなソフトが登場しています。その一部を紹介しましょう。
Chromeパッケージアプリって？
Chromeパッケージアプリとは、ウェブアプリを、まるでPCにインストールしたアプリかのように使えるものです。従来のウェブアプリとは異なり、必要なコードはローカルのハードディスクに保存されるため、オフラインでも起動することができます（とはいえ、ほとんどのパッケージアプリはインターネットにアクセスします）。
Googleがこのシステムを作った目的は、ウェブ開発者が複雑なコードベースを何種類も使わずとも、クロスプラットフォームなアプリの開発が簡単にできるようにするためです。これはエンドユーザーにとっても朗報です。Chromeウェブストアには、すでにいくつかの便利ツールが登場しています。
Googleハングアウト
Googleにとって、「ハングアウト」はAppleの「iMessage」への対抗馬。スマホ向けのハングアウトアプリはAndroid版とiOS版が用意されており、モバイルデバイスどうしで簡単に同期できるのが特徴です。さらにChromeパッケージアプリを使うことで、PCからもこれらの会話にアクセスできるようになります。ブラウザのタブに埋もれてしまうこともないので、さっとウィンドウを開いて友達との会話を楽しめるのがポイントです。
Any.DO
「Any.DO」は、ToDo管理ツールとして非常に便利でありながら、デスクトップアプリがないために同期に難がありました。しかし、Chromeパッケージアプリの登場により、ますます便利になりそうです。これを使えば、Any.DOのシンプルなリストをPCの画面上にフローティングウィンドウとして表示することができます。音声による新規項目の追加、タスクの登録、仕事の管理などが可能です。
Wunderlist
上記のスクリーンショットからもおわかりいただけるように、「Wunderlist」のChromeパッケージアプリは、デスクトップ版とほぼ同じ外見になっています。デスクトップ版と同じく、ToDo管理をPCに負荷をかけずに実現したければ、Wunderlistがオススメです。
Google Keep
「Google Keep」は、Googleが提供するシンプルなリマインダーサービスです。KeepのChromeパッケージアプリはモバイルアプリを連想させる小さなフローティングウィンドウで、新規項目の作成や保存済み項目の検索が可能です。
後で読む記事を保存しておける「Pocket」にも、Chromeパッケージアプリが存在します。こちらもデスクトップ版と同じ見た目に仕上がっており、機能も同様です。保存した記事やメディアへ簡単にアクセスできます。
Text
テキストエディタは豊富に存在しますが、ファイルの編集や簡単なメモ程度なら、「Text」が便利です。OSのスタイリングをそのまま引き継いでいるわけではありませんが、自由に動かせるフローティングウィンドウは、ウェブサイトであることも感じさせません。本格的な記録には向きませんが、ちょっとしたテキストの編集であれば、Textは使えます。
Remo
「Remo」は、Chrome経由で動作する音楽プレイヤーです。といっても、再生するのはクラウド上の音楽ではなく、ローカルに保存された音楽ファイル。通常のデスクトップアプリのように、ファイルを開くかドラッグ＆ドロップで再生します。さらに、スマートフォンをリモコンとして使えるのがとっても便利。改善点はまだまだありますが、音楽を再生するためのシンプルなツールとしては十分です。
Chromeパッケージアプリは上記以外にもありますが、それほど多くはありません。今はまだデベロッパーが発表を始めたばかりの段階で、GoogleはChromeユーザーへの公式な宣伝を開始していません。今後数カ月で、続々とパッケージアプリが登場するでしょう。さらなる展開に期待です。
Adam Dachis（原文／訳：堀込泰三）
