住まいの雑学
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2013年5月11日 (土)

街でよく見かける家電の回収業者。本当に信用して大丈夫なの?

家電無料回収をアナウンスしながら回る小型トラック。ホントに家電を預けていいの?(写真: iStockphoto / thinkstock)
写真: iStockphoto / thinkstock

住宅街でよく見かけるのが、「家電を無料回収します」とスピーカーでアナウンスしながら回る小型トラック。また、空き地や駐車場で「無料回収」などの看板やのぼりを立てて宣伝している業者もよく見かける。こちらから出向かなくてもテレビやクーラーなどの家電を処分してくれるならば、たしかに便利である。

しかし、なかにはあやしい業者がいるのも事実。無料回収をうたっていながら、結局処分料金を要求したりする、なんて話もチラホラ。こうした業者に、家電を回収してもらっていいものだろうか? 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部の阿部さんに話を聞いた。

「街で廃家電を回収している人の多くは、無許可で行っています。廃家電を家庭から回収する場合は『一般廃棄物処理業』の許可が必要ですが、それを持っていない人が多いのが実態です」

無許可の業者の場合、回収された家電はどうなるのか?

「家電リサイクル法(テレビ、エアコン、洗濯機・乾燥機、冷蔵庫・冷凍庫が対象)では、回収された家電はフロンガスを回収した後、解体し、素材ごとに分別され、可能な限り再生利用されることになっていますが、無許可業者の場合には、壊してそのまま海外に横流ししたり、ひどい場合には山の中に不法投棄したりすることが珍しくありません」

 
家電の処分に疑問を感じたら、まず自治体に尋ねてほしいと阿部さんは語る。

「そもそも、家電リサイクル法の対象の冷蔵庫など大型家電は、フロンガスなどを適正に処理する必要があるため無料回収はありえません。かならずリサイクル料金が必要なのです」

一方、このたび施行された小型家電リサイクル法は、パソコンや携帯電話、ドライヤーなどの小型家電を回収する法律である。自治体によっては品目により手数料がかかる場合もあるが、多くの場合は料金がかからないと見込まれている。回収を希望する場合は、公共施設や家電販売店などに設置された専用の回収ボックスに入れればよい。分別して回収する「小型家電」の種類は自治体によっても違うので、自治体に問い合わせてほしいとのこと。住んでいる自治体で回収対象となっていない品目は、燃えないごみまたは粗大ごみで出すことになる。

リサイクル関連の法律は、私たち一般市民にはなかなか分かりにくい。それをよいことに、違法業者もさまざまな手に出ているようだ。
 

「無許可の不用品回収業者が、マンション管理人やマンション管理会社に対して『おたくのマンションで不用品回収をさせてくれ』と攻勢をかけている実態があり、その対策は急務です。業者は、リサイクルと称して、無許可で廃棄物を回収したり、いかにも合法業者であるかのように装っていたりすることが多く、この点が一般の消費者にはよく知られておりません。そのため、私どももリサイクルに関する普及啓発を推進している最中です」

家電は、家電リサイクル法対象の品目は家電小売店へ、その他の家電は、市町村が案内する方法で処分しよう。困ったら、自治体に処分方法を聞くのが一番大切である。

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