グーグルの次期ビデオコーデック技術「VP9」が完成間近--YouTubeでも利用可能に

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年05月13日 12時06分

 Googleは、次期ビデオコーデック技術「VP9」を米国時間6月17日に完成させる計画であることを明らかにした。同日から「Chrome」やYouTubeでこの次世代ビデオ圧縮技術の利用を開始するという。

 「当社は先週ゲスト100人を招き、オープンソースビデオフォーマット『WebM』の次期動画コーデック技術であるVP9のためのサミットを開催した。特にYouTubeの友人たちを喜んで歓迎した。この友人たちは、ChromeでVP9を利用できるようになり次第、YouTubeもVP9をサポートする計画だと話した」。WebMプロジェクトのシニア・ビジネス・プロダクト・マネージャーを務めるMatt Frost氏は5月7日、ブログにこのようなコメントを投稿した。

 WebMはGoogleがプロジェクトを推進しているロイヤリティフリーのWebビデオフォーマット。WebM技術は現在、ビデオコーデックには「VP8」、音声コーデックには「Vorbis」を採用している。Googleは3年前に開催した同社の開発者会議「Google I/O」でWebMを発表したが、今日でもビデオコーデックは「H.264」のフォーマットが圧倒的シェアを占め、VP8はごくわずかなシェアにとどまっている。

 VP9は現在利用できるVP8よりもビデオ圧縮効率が高く、GoogleにとってVP9への移行は重要なマイルストーンとなるとみられる。Webビデオフォーマットに関して、将来的な支持者になる見通しのMozillaなどは、 ロイヤリティフリーのWebビデオ圧縮技術がWeb全体に広がることを期待している。しかしながら、VP8は特許を侵害するとしてNokiaからいまだに非難の的となっており、VP9はまだ知的財産について攻撃を受けてもいない。

 H.264を利用するためには特許使用料の支払いが必要で、その後継規格の「HEVC」つまり「H.265」も同様とされている。

 H.265はH.264よりも圧縮効率が高く、毎秒これまでの半分のビット数で送れる。グーグルおよびその支持者らは、現在のVP8からVP9への移行で、同様のパフォーマンス向上を目指す構えだ。これが実現できれば、ネットワーク接続が悪い状況下でメリットになることに加え、ビデオストリーミングにかかるネット接続コストも低減できる。

 VP9のビットストリーム仕様、つまりネットワーク上を効率よく送信できるよう、データを圧縮する方法については、1週間前からベータテストをしているとFrost氏は述べている。

 グーグルのコーデックエンジニアを務めるPaul Wilkins氏は9日にメーリングリストで、VP9のビットストリーム仕様の最終的スケジュールに関する詳細を明らかにした。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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