大阪と京都を繋ぐ京阪電車の名物旧3000系特急車・テレビカーが3月いっぱいで引退する。テレビカーとは、車端部にテレビを設置し、テレビ番組を放映する車両がある特急車のこと。約60年にわたって親しまれてきたが、最後の1編成が見納めとなる。
通常運転は3月10日に終了したが、特別運転が3月23日、24日、30日、31日に行われる。ラストランへの思いや、テレビカーの歴史について京阪電気鉄道株式会社・広報宣伝担当の中西さんに伺った。
下記は中西さんが用意してくれたテレビカーの年表だ。時代とともにテレビカーが変化していることが分かる。
■初代:昭和29年(1954年)1800系
大阪でもテレビ放送が開始され、乗客へのサービス向上を主な目的に導入された
■2代目:昭和38年(1963年)1900系
大阪地下線開通に合わせシンボルとして登場
■3代目:昭和46年(1971年)3000系
日本で初めてカラーテレビを搭載(その後、衛星放送・地上デジタルに対応し、液晶TVに変更)。20分から15分間隔運転開始に伴い輸送力増強として製造
■4代目:平成元年(1989年)8000系
鴨東線開通に合わせ特急車増備用として製造
このように4代にわたって親しまれてきたテレビカーだったが、8000系特急車両のリニューアル工事などに伴って撤去が進み、昨年の夏からは3代目・旧3000系特急車一両のみの運行となった。そして今回、その唯一の車両が「時代の変化によりその役目を終えた」ことで見納めとなる。最後にラストランに向けてメッセージをもらった。
テレビカー引退の一方で、「今後も京阪ファンに喜んでいただける様なことを考えていきたい」と中西さん。京阪電車の〝これから〟も楽しみにしたい。