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岡島梓 /企画・エフェクト
2014年11月22日 (土)

来年開業の北陸新幹線。盛り上げ役の「金澤八家」って?

来年開業の北陸新幹線。盛り上げ役の「金澤八家」って?(写真:gnohz / 123RF.COM)
写真:gnohz / 123RF.COM

2015年3月14日、北陸新幹線の開業が予定されている。今回開業を迎えるのは長野から金沢間で、東京~金沢間を最速2時間28分で結ぶことができる。現在、東京からのアクセスが約4時間であることを考えると、大幅な時間短縮だ。車内は漆器や金箔を思わせる色調を採用し、金沢駅舎内も伝統工芸品を活用した装飾が施され、視覚からも石川らしさを堪能できるそうだ。

開業に伴う地元の期待も高く、石川県庁を旗振り役に、民間企業や団体、県民が一体となって開業を盛り上げようとしている。そのなかから、金沢市内のホテル8社による金沢の誘客プロジェクトチーム「金澤八家」の取り組みについて、石川県企画振興部企画課の岩池さんにご紹介いただいた。

「金澤八家は、北陸新幹線金沢開業に向け、ホテルマンの視点で新たな観光プランや食イベントを提案し『誘客力・もてなし力・名物力』の3つの強化を目指して活動しています」

金澤八家という個性的な名前は、百万石を誇る加賀藩を支えた八つの家老家「加賀八家」にあやかったそうだ。続いて、誘客力を強化する取り組みについて伺った。

「お客様が『石川に行ってみたい!』と感じてくださるよう、体験型の旅行プログラムを企画したり、地元との交流を深めることで、単なる観光旅行ではなく、学びが感じられる旅行を提案しています。そして海外、特に東南アジアからの誘客を目指しています。お客様が触れられたことのない雪国文化を楽しんでいただけるよう、力を入れています」

つぎに「もてなし力」の強化とはどのようなことだろうか。

「今までとは一味違う石川県をお見せするため、県民向けに『金沢の不思議』を公募しました。知られていない不思議は、意外な魅力として観光資源になるのではないかと思っています。また、金沢は芸妓も有名ですが、花街の文化に親しんでもらえる企画を各ホテルで行っています」

今ある魅力の強化、そして、眠っていた魅力に光を当てる取り組みを進めている金澤八家。しかし、やはり石川県といえば食の魅力も捨てがたい。日本中のグルメをうならせる企画はないか伺った。

「今は『季節の食材4大スターを作る』をテーマに、ホテルランチスタンプラリーや、グルメフェアを行っています。また、お土産開発プロジェクトとして『金澤八家の金沢八菓』を来春の発売を目指して開発中です」

4大スターに選ばれた加賀野菜のホテルランチは、12,000食完売済と、徐々に名物力も高まってきているようだ。間近に迫る北陸新幹線の開業。今まで知ることのなかった石川県の魅力を発見できるこのチャンス。官民一体の取り組みを通し、乗車してから帰路につくまでずっと、あたたかなもてなしを受けられることだろう。

●取材協力
石川県企画振興部企画課
HP:http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kikaku/
金澤八家(かなざわはっか)
HP:http://kanazawahakka.jp/
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