東電次期会長 藤森LIXILグループ社長で調整、政府関係者が打診 本人は明言避ける

 6月に任期が切れる東京電力の数土(すど)文夫会長の後任に、社外取締役を務めている藤森義明LIXILグループ社長兼CEO(63)が浮上していることが5日、分かった。すでに複数の政府関係者が打診のために数度にわたって接触した。社外人材を積極登用し、LIXILを国内最大の住宅設備メーカーに成長させた手腕を評価してのこととみられる。

 昨年4月に就任した現会長の数土氏は就任直後「経営基盤を確立するため、経営手法や事業モデルを大胆に転換する」と表明。経営の合理化を徹底的に進め、1月からはトヨタ自動車元常務取締役の内川晋氏を、特任顧問として起用する方針も決めた。ただ、東電関係者によると数土氏は体調不良を訴えており、後任の検討に入ったとみられる。

 藤森氏は平成24年から東電の社外取締役を務めており、数土氏の経営改革路線を間近で見てきた。政府関係者は「創業者経営だったLIXILを大胆に改革した藤森氏なら、数土氏の改革路線を継承してくれるはずだ」と語った。感触を探る政府側の接触に対し、藤森氏は明言を避けているという。

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