3月3日はひな祭り。習慣による違いはあるものの、女の子の幸せと健康を願うこの行事でよく飲まれるのが“甘酒”だ。ひと口すすれば、柔らかな口当たりとふんわりとした甘さに心も癒やされる。近ごろの発酵食品ブームも手伝って注目されているが、この甘酒、いったいどのようにしてつくられるのだろうか。
と教えてくれたのは、東京・日本橋は人形町、甘酒横丁商店会の佐々木誠治さん。
そもそも「甘酒横丁」という名前は、明治初期に横丁の入口付近にあった「尾張屋」という甘酒屋が由来。「甘酒屋横丁」と呼ばれた通りは、かつては近くの職人や商人たち、観劇や寄席に訪れた人々でにぎわいを見せた。その後、関東大震災後の区画整理などを経て、今の「甘酒横丁」に至るのだという。
残念ながら尾張屋はもう存在しないが、甘酒横丁では佐々木さんのお店の佐々木酒店も含め、現在3店舗で甘酒を楽しめる。今も、明治座でお芝居を楽しんだ方々が立ち寄っては、甘酒を飲んでいくそうだ。佐々木さんによると、甘酒は「飲む点滴」といわれるほどの高い栄養価を誇るという。
食欲のないときや疲れたときの栄養補給にはピッタリだ。このほかおすすめの飲用シーンは?
しかし、いくら体に良いとはいえ、甘酒も同じ飲み方ばかりでは飽きてしまう。おいしくいただけるアレンジを知りたいところだ。
最近は麹も手に入りやすくなり、自宅で甘酒をつくる人も少なくない。コウジ菌の発酵パワーを味方につけて、元気に春を迎えよう。