お酒を飲む機会が多い年末年始。普段は、冷静な人でも、酔っ払って、おかしな行動をとってしまうこともあるはず。
そもそも、酔うといつもの自分ではなくなってしまうのはなぜだろうか。アルコール依存症に詳しい洗足心療内科クリニックの医師・重盛憲司さんが「酔う」メカニズムを解説する。
「体内に入ったアルコールは肝臓で代謝されます。その際、代謝しきれなかったアルコールが血管を通じて全身に行きわたり、脳の組織まで染み込んで理性を司る大脳皮質を麻痺させます。普段、穏やかな人が飲酒で一変するのはこのためです。さらに小脳までアルコールが達すると運動を司る機能まで麻痺し、体の自由が利かなくなります」
女性は特にアルコールの影響を受けやすい。
「女性は体格が小さく、女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える働きがあるため、代謝機能が男性より弱いとされます。結果的に脳に達するアルコールが多くなり、わずかな酒量で酔いやすくなります」(重盛さん)
お酒の席で失敗しないためにどうすればいいのか。大阪府内科医会副会長で医師の泉岡利於さんがアドバイスする。
「まずはお酒と同じ量の水を飲むこと。体内のアルコール濃度を抑え、脱水症状の予防になります。また、アルコールの分解能力を上げることも重要。代謝酵素のエネルギー源となるたんぱく質を多く含むしじみのみそ汁や豆腐、またはアルコール分解の際に消費する糖分を補うためにチョコレートや果物などの甘い物がおすすめです」(泉岡さん)
お酒とのつきあいはほどほどに。
※女性セブン2014年12月25日・2015年1月1日号