買う   |   マネーと制度
7
田方 みき
2012年9月5日 (水)

家のトラブル110番。泣き寝入りしないための保証制度&保険

新居に引越したあと、建物に瑕疵(欠陥)を発見したら、修理や補修の費用は自分持ち? また、火事や地震、竜巻、水害などの被害にあったときは? 万が一の際にあわてないためにも、家に関わる保証制度や保険を知っておこう。

■引き渡しから10年間は補修費用が支払われる

新築住宅に入居したのに「雨漏りがする」「梁にひび割れがある」など、引き渡し時には知らされていなかった瑕疵(欠陥)が見つかったとき、修理はしてもらえるのだろうか?

建物の基本構造部分に関わるトラブルに対しては、以前から「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)があった。これは、「売主は基本構造部分の欠陥について、引き渡しの日から10年間、対応しなければならない」というもの。基礎や柱、床、壁、屋根などの基本構造部分に欠陥が見つかったときは、買主は無料で補修してもらうことができる。ところが、売主の会社が倒産や解散でなくなってしまった場合、買主は補修を求める相手がいなくなり、結局は自費で補修することになるなど泣き寝入りするケースが発生していたのだ。

そこで新たな法律として施行されたのが「住宅瑕疵担保履行法」。この法律では、売主に対して保険への加入、または保証金の供託が定められている。引き渡し後、10年の間に、建物の基本構造部分にトラブルがあったとき、保険金、または供託金から補修をした売主に費用が支払われる。売主が倒産した場合も、保険の場合は買主が保険法人に直接請求、供託金の場合は供託所に補修費用の還付請求をすることができるのだ。

■住宅瑕疵担保履行法のポイント

■地震の被害をカバーするのは「地震保険」、台風や水害の被害をカバーするのは「火災保険」

入居後の思わぬ災難のひとつが、地震や台風、水害などの自然災害による建物の損傷だ。
 
まず、地震や噴火、津波による被害を受けたとき。この損害をカバーするのは「地震保険」。住宅を購入する際に、「火災保険」には加入する人がほとんどだが、地震保険は保険料が火災保険に比べて割高なこともあり、加入しない人も多い。しかし、火災保険では補償されない「地震が原因の火事」で家を失うことだってある。現在加入中の火災保険に後からセットすることもできるので、地震などによる家や家財の被害を不安に感じている人は、自分が加入している保険の見直しをしよう。

また、最近、全国各地で深刻な被害が発生している水害。住宅への被害をカバーするのは、火災保険の中でも「住宅総合保険」と呼ばれるタイプだ。火災保険で「水害」に含まれるのは台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなど。注意したいのは、これらの水害による損害を補償するのは「住宅総合保険」で、一般の住宅火災保険では補償されないという点。また、給排水設備の事故などによる水漏れも、保険金が出るのは「住宅総合保険」のほう。自分が加入している火災保険がどんなタイプなのかを確認し、補償の範囲を知っておきたい。

■住まいに関わる保険の補償内容

賃貸住宅の場合は、賃貸契約の際に火災保険の契約もいっしょにするのが一般的。建物本体については通常、家主が火災保険に加入しているので、入居者が入る火災保険は、「借家人賠償責任保険」と呼ばれるものだ。万が一火災などが起きた場合に、賃貸契約に含まれる「原状回復義務」を補償するもの。

賃貸住宅で、入居者が火災や自然災害で被害を受けるとすれば、家具や家電などの家財道具だ。地震保険や家財保険への加入は任意になっているケースが多いので、万が一に備えておくなら損害保険会社などに問い合わせて、加入を検討するといいだろう。

今回紹介した家に関わる保険の補償額や補償範囲は、被害の状況や契約内容によってさまざま。自分にはどんな補償が必要なのかを考えたうえで、契約内容を検討するといいだろう。

前の記事 インターネットの“イケナイ不動産広告”って、どんなもの?
次の記事 秋の住宅商戦真っただ中! 夫婦仲良く家探しを進めるには?
SUUMOで住まいを探してみよう