住まいの雑学
池谷梢 /企画・エフェクト
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2015年4月1日 (水)

花粉症かと思いきや…“隠れ”ハウスダストアレルギーかも!?

花粉症かと思いきや…“隠れ”ハウスダストアレルギーかも?!(写真:Wavebreak Media / thinkstock)
写真:Wavebreak Media / thinkstock

花粉症の方にはまだまだ辛い時期が続いているが、医者で調べたら実は花粉症ではなかった、という人がいるらしい。もちろんアレルギーが違えば、対策法も変わってくる。自分の本当のアレルゲン(原因となる抗原)を知らなければ、正しい対策はできないだろう。

そこで今回は、さまざまなアレルギー患者を日々診察している「たなか耳鼻咽喉科」の田中院長に、アレルギーについて詳しい話を伺った。

花粉症だと思っていたのに、実はハウスダストアレルギーだったという患者さんはいますか?

「本日も花粉症という訴えで来院した方を検査すると、ハウスダストアレルギーによる通年性アレルギーだった方がいました。ハウスダストアレルギーは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、花粉症の症状と共通する場合が多いのです」

やはり“隠れ”ハウスダストアレルギーの患者はいるようだ。ハウスダストアレルギーは何が原因なのでしょう?

「ハウスダストとは室内塵のことで、ダニ、衣類などの繊維クズ、ペットの毛、タバコの煙、カビ・細菌などが混ざったもの。中でも肉眼では見えにくいホコリをハウスダストと呼び、体内に入るとアレルギー症状を引き起こす原因になることもあります」

ハウスダストと花粉、アレルギーの判別方法はありますか?

「ハウスダストアレルギーは、ホコリっぽい所で症状が出ることが特徴です。ハウスダストは通年存在しますが、春先のように寒暖差が大きいと過敏症状が悪化するため、花粉症の時期に症状だけで診断することは難しいですね。また、アレルゲンが1種類だけでないことも多く、スギ花粉症にハウスダストアレルギーが合併することも少なくありません。やはり院内で検査による診断が重要です」

この時期はハウスダストアレルギーの人も、花粉症と同様の症状が出やすいため自己判断は難しそうだ。次に、具体的なハウスダストアレルギーの対策方法を尋ねると、田中院長は以下の7点を教えてくれた。

●ハウスダストアレルギーの対策方法
1、掃除機がけは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ、週に2回以上行う
2、布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる
3、ベッドではマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける
4、シーツ、ふとんカバーは週に1回以上洗濯する
5、ふとんは週に2回以上干す。困難なときは室内干しふとん乾燥機で、ふとんの湿気を減らす。週に1回以上、掃除機をかける
6、部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つように努力する
7、フローリングなど、ほこりの立ちやすい場所は拭き掃除の後に掃除機をかける

「これらは『鼻アレルギー診療ガイドライン2013』で勧められている、室内ダニの除去方法です。ハウスダストの多くがチリ・ダニの仲間や糞などが細かく崩壊したものが多く、ダニアレルギーとほぼ同じものとされています」

この時期は花粉症と思っていても、自己判断は難しいようだ。少しでも怪しいと思ったら、専門医にかかることをおすすめしたい。

●取材協力
たなか耳鼻咽喉科
HP:http://www.myclinic.ne.jp/tanaka/
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