国内

猛寒波での注意点は積雪量より吹雪 車の立ち往生に危険潜む

 今年2月、「10年に1度」といわれた大寒波が日本列島を襲った。そして先月18日、米国では広い範囲で季節外れの寒波が猛威をふるった。寒波がもたらす雪の影響で次に予測されるのは、交通網のマヒだ。科学ジャーナリストの大宮信光さんは次のように分析する。

「注意すべきは、積雪量より吹雪です。積雪対策はある程度されていますが、吹雪はあまりされていない。北海道や東北では高速道路に『視線誘導樹』という道路の端や中央に境界を示す木が植えられていて、視界が悪いときの対策を施しています。

 しかし、関東・東海地方の高速道路では対策が進んでいません。急な吹雪で視界が遮られると、多重事故を起こしやすいのです」

 また、高速道路は優先的に大型除雪車が配備される。一方で保有台数が少ない市区町村の道路は雪に埋もれる危険性があると大宮さんは指摘する。また、車の立ち往生にも思わぬ危険が潜んでいる。

「車体が雪に覆われ排気ガスが一定時間出続けるとガスは車体の下部に溜まり雪の中で充満し車内に逆流します。それにより一酸化炭素中毒を引き起こすことがあります」(大宮さん)

 道路と同様に混乱が予想されるのが鉄道と空の便だ。2005年には新潟―秋田間を走るJR東日本羽越本線で豪雪により電車が脱線・転覆し、5人が死亡、32人が重軽傷を負った。

「川付近は風が強く、電車が川を越える時に予想外の強風で車両転覆する危険があります。羽越本線の脱線事故も、最上川(山形県)の近くで風が強かったためです。強い風が吹きつける川をいくつも渡る東海道新幹線などはリスクが高い」(大宮さん)

 JR東海は「東海道新幹線では突風が予想される区域に強風計を設置して、一定値を超えた場合は即座に運転規制をとれる」(広報室)としている。だが、すべての区間に設置されているわけではない。想定を超える強風が吹いた場合には脱線事故が起きる可能性はゼロではない。

※女性セブン2014年12月18日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン