そこで、25~49歳までの子を持たない結婚5年以内の既婚者・男女300名にアンケート調査を実施。まずは、どのくらいの夫婦がお互いの年収を知っているのかを調べた。結果は以下の通りだ。
Q.お互いの年収を知っていますか?(共有していますか?)
「お互いの年収を知っている(共有している)」(72.0%)
「自分の年収は伝えているけど、相手の年収は知らない(聞いていない)」(7.7%)
「相手の年収は知っているけど、自分の年収は伝えていない」(5.7%)
「自分の年収も伝えていないし、相手の年収も知らない(聞いていない)」(14.7%)
全体で見ると、お互いの年収を知っている(共有している)夫婦が大多数を占めている結果に。お互いの年収を知っている派のコメントには、「家の購入を話し合ったりクレジットカードを作成したりするときに必要だったから」(32歳・男性)、「将来的な家庭の資産形成のために必要な情報だと思うから」(35歳・女性)と、夫婦の将来に関する理由が多い。
しかし注目すべきは、互いの年収を共有していない夫婦がそれでも約3割はいるという事実。いったい、どんな人なのか、年齢階級別・男女別に詳しく集計してみた。
年齢階級別に見ると35-39歳の男女は、平均63.5%しかお互いの年収を知らないようで、ほかの世代よりも低い数値という結果に。将来設計に際し、不安を感じないのだろうかと疑問に思うが、フリーコメントを見ると、「おおむね把握できていればあとはお互い自由にやりくりすればよいと思うから」(36歳・男性)、「必要な分は共通の口座で管理しているので各自の年収は知らなくてよい」(35歳・女性)と比較的、大らかな内容が目立つ。今回の調査は子どものいない夫婦を対象としただけに、夫婦共に働き、自由にお金を使える生活をまだまだ楽しみたいという人が、この世代には多いのかもしれない。
今回の調査でもっともオープンな関係といえるのは29歳以下の夫婦。「若いのにしっかりしている」という印象があるが、この世代は長い不景気で昇給や昇格機会が減っている。そうした時代に生まれたからこそ、互いの経済状況をオープンにしておくほうが将来設計を描きやすいと考える人が多いのかもしれない。
出産や育児、住宅購入、両親の介護など……。結婚の先にある人生には、まだまだお金が必要なライフステージは数多い。いざというとき、夫婦で困りはてぬよう、やはり互いの年収は把握しておくが吉。夫婦は一生のパートナー。恥ずかしがらず、隠さず、一度正面から話し合ってみては?