女性の社会進出がめざましいなか、女性上司による男性部下への「逆セクハラ」の相談件数は増え続け、いまやサラリーマン男性の25.5%が被害に遭っている(労働問題に詳しい戸塚美砂弁護士による22~39歳男性2500人調査)。たとえば、ハウスメーカー入社2年目のAさん(22)は39歳の課長兼教育係に毎日触られることがストレスだという。
「パソコンの前で操作に迷うと『違う!』とマウスを持った僕の手の上に手を重ねて一緒に動かす。ちょっと間違うと頭を小突いて髪をクシャッとする。僕のパソコンの画面をのぞきこんでいる間は肩に手を置きっぱなし。それに胸元が開いた服を着て、顔に近づけてくる。少しボーッとすると耳にフッと息をかけて『おーい聞いてんのかー?』と耳をひっぱる。事あるごとにスキンシップをとってくるのです」
職場を離れても“教育”は続く。
「そのうち退社後も『夕食食べたの?』『飲み過ぎないで早めに寝なさい』など毎日のようにメールが入るようになりました。ついに最近は休日に『今日は会社にいるから、勉強したいことがあったら来なさい』と。行かないわけにはいかず、日曜には半日、2人きりのオフィスで過ごすハメになりました」
「断わればいいじゃないか」と言ってやりたくなるが、従わなければ手痛いしっぺ返しがくる。
「女上司の『飲み行くわよ』という誘いを断わった同期が異動になりました。彼女とデートしていたことがバレたから。高圧的なワンマン上司だったのでプライドを傷つけられたんだと思う。しかも異動先に仕事がいかにできないかという噂が回るのも早かった」(32歳・通販会社)
※週刊ポスト2014年9月12日号