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中古を買ってリノベーション
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榎並 紀行(やじろべえ)
2013年5月13日 (月)

マイホーム選びの新潮流?「中古戸建リノベーション」はアリかナシか

スケルトン状態にまで解体された中古の一戸建て(写真撮影:筆者)

昨今のマイホームは「中古物件を買ってリノベーション」するのが流行っているようです。中古でも間取りから設備まですべて一新すれば見た目は新築となんら変わらないわけで、希望するエリアに最先端のオシャレハウスを持ちたい人にとっては合理的な選択肢といえそうです。中古リノベというとマンションを思い浮かべる人が多いと思いますが、最近は「戸建て+リノベ」を検討する人も増えているとか。

でも、実際やるとなるとリノベ費用がかさんでかえって高くついたりしないか? 古い物件だけに耐久性は大丈夫か? といった心配ごともチラホラ。戸建ての場合はメンテナンスも大変そうです。

そんななか、さまざまなリノベーションサービスを提供するリビタが、これからまさにリノベを行う中古戸建ての見学会を開催するとの情報が。それもスケルトン状態(※内装材が全て取り払われ、構造躯体が剥き出しになった状態)にまで解体された珍しい姿を見られるレアなイベントとのことなので参加してきました。

耐久性は大丈夫? コストは?

今はしがない賃貸暮らしの筆者ですが、高度経済成長期のお父さん並みに「いつかはマイホーム」という気骨は人一倍持っています。もちろん冒頭に述べた「中古物件購入+リノベ」というのも有力な選択肢のひとつですが、中古となると色々と不安もあるんですよね。特に心配なのは以下2点。

●建築躯体を残し間取りや設備を一新するリノベーション。耐久性は大丈夫なの?
●既存部分を有効に活かしつつ費用を安く抑えるイメージの中古リノベ。でも、そもそもホントに新築より安くなるの?

そんな疑問を晴らすべくやってきたのはリビタ主催の「戸建てリノベの可能性を感じる建物見学会」。会場は都内某所の住宅街に建つ築25年の中古戸建て。これからリビタがリノベーションを手がける物件で、壁から何からひっぺがされ骨組みだけとなったスケルトン状態の家を見学することができます。

マイホーム選びの新潮流?「中古戸建リノベーション」はアリかナシか

【画像1】こんなあらわな姿、なかなか見られませんよね

「安心・安全・賢い」戸建てリノベに必要なポイントは?

リビタはもともと中古マンションのリノベを中心に手がけてきた会社ですが、今年から本格的に「戸建てリノベーション」に参入。同社が考える「安心・安全・賢く」戸建てをリノベするための重要ポイントは

(1)構造については必ず第三者機関の目でチェックする
(2)将来のメンテナンスを考慮し、住まうほど味わいが出てくる素材やシンプルな仕様、工法を採用する
(3)場所に用途を求めず、住まい手が編集できる余地を残した自由度の高い空間構成にする

の3点。特に(1)については、築古の戸建てだと現行の建築基準に達していなかったり、重大な瑕疵(※外部からは発見できない欠陥)があったりする物件も少なくないため、必ずスケルトンの段階で専門会社に建物の検査・診断を依頼することが大事なんだとか。費用は10万円程度かかるものの、ここでしっかりチェックし、適切な補強を行っておけば構造的な心配は解消されるそうなので、その後の安心・安全のためには必要な出費かと。

マイホーム選びの新潮流?「中古戸建リノベーション」はアリかナシか

【画像2】スケルトンにすると現在の家の“健康状態”が一目瞭然に。この物件の場合は水まわりの漏水によって土台、壁面の木が一部腐っていたため、腐食部分の木を付け替え金物で補強

さて、(筆者的にも)懸案事項である築古物件の耐久性についてですが、木造戸建ての場合はきちんとメンテナンスをすれば100年以上住み続けることも可能とか。そのためにも(2)の「シンプルな仕様や工法を使う」というポイントが重要なわけですね。

ただ、中古購入時点での劣化状況については建物ごとに大きく異なるため、実際のところ「解体してみてはじめて分かることも多い」そう。大手だから安心、築浅だから安心ということも特になく、結局は施工業者が“どれだけ真摯にその建物をこさえたか”に尽きるとか。

なお、購入前に見分ける手段をひとつ挙げるとすれば「地元の物件を多く手がける工務店」などが建てた家はある程度信頼性が高いとのこと。地元密着型の施工業者は地域での信頼が命。手抜き工事で評判を落とすと致命傷になってしまうため、少なくともいい加減な工事はしていないだろうと。もちろんそれでも100%安心ということはないので、建物診断は必須なわけですが。

最後に費用について。戸建てリノベの場合は構造補強や外部の改修なども加わるため、マンションより工事のコストは高め。1500万円以上かかることも珍しくないようです。ただ、築20年を超えると建物の評価価値はほぼゼロになるといわれているので、土地代+約1500万円で(見た目は)新築同然の家、もしくは新築とは異なる魅力をもつ家を手に入れることも可能になります。一戸建て注文住宅の建築費が土地代込みで平均4285万円(住宅生産団体連合会「2011年度 戸建て注文住宅の顧客実態調査」)ということを考えれば、やはり値ごろ感はありますね。

というわけで、いろいろと注意すべき事項もありますが、戸建てリノベ自体はかなり魅力的なものに感じました。リビタのように戸建てリノベに対して真摯に向き合う会社が登場してきたことも、これから住まい探しをする人にとっては朗報といえそうです。リビタでは今後もこうした見学会を実施するということなので、興味がある方はぜひ足を運んでみては?

●柱も天井もむき出し!? 画期的なリノベーション戸建ての暮らし
HP:https://suumo.jp/journal/2015/02/26/78487/

●ReBITAの戸建てリノベの可能性を感じる建物見学会
HP:http://www.rebita.co.jp/seminar/kodate/

https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/0d8f2da2da0faa178e62996f61172997.jpg
中古を買ってリノベーション マイホームを買う時の選択肢のひとつとして注目の中古住宅×リノベーション。最近の“中古リノベ”事情を紹介。
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