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大森 広司
2011年4月22日 (金)

“液状化”ってどうして起きるの?

新浦安や潮来など、一部の地域に被害をもたらした「液状化」。そもそも液状化ってどうして起きるのだろうか。

■埋め立て地など水分の多い土地で起きやすい
液状化というのは、強い地震の揺れで地盤が液体のようにドロドロになり、地面が割れたり建物が傾いたりする現象のこと。今回の地震では、東京湾岸を中心に各所で液状化が発生して被害が起きた。新浦安駅周辺のように家が傾いたり、上下水道が一時的に使えなくなってしまったところもある。

この液状化は、埋め立て地のように砂質で水分を多く含む土地で発生しやすいといわれている。そうした地盤では砂の粒同士が緩く結合し、すき間に水が入った状態になっているが、地震の激しい揺れが長く続くと砂がバラバラになって下に沈み、それに押される形で水が地表に上がってくるというわけ。地面から水が吹き出したり、水道管が浮き上がってマンホールから飛び出したりするのはそのためだ。

■マンションは杭を打つから倒れない
液状化を防ぐには、地盤を締め固めたり水を抜いたりといった地盤改良が必要になる。埋め立て地では建物を建てる前に改良工事を行っているはずだが、今回の地震では想定を超える揺れが起きてしまったということだろう。

ただし、マンションのような大きな建物は支持層と呼ばれる地下数十メートルの堅い地盤まで杭を打って建物を支えているから、支持層より上の地盤が液状化しても建物が倒れることはない。今回の地震でも、マンションには損傷がほとんどなかったようだ。

一戸建ての場合は杭を打たず基礎だけで建物を支えるケースが多いので、液状化で建物が傾くケースは少なくない。ただ、建物自体が壊れていなければ、ジャッキアップなどで傾いた建物を元に戻すことは可能だ。費用は数百万円かかるが、地震保険に入っていれば保険金である程度はカバーできるだろう。自治体の罹災証明書が発行されれば、国からの支援金がもらえる場合もある。

■危険度マップも万全とはいえない!?
これから家を買うなら、その土地が液状化しやすいかどうかを知っておくことが大切だろう。自治体で危険度マップなどをつくっているが、今回の地震では安全と思われていた場所で液状化が発生したケースもあり、万全とはいえなさそうだ。やはりマンションのように支持層まで杭を打つのが確実だが、一戸建てでも適切な地盤調査や改良が行われているかどうかを確認すれば被害をある程度は防げる。

地震後は一部で東京湾岸エリアを敬遠する動きもみられるが、今回の地震でも液状化しなかった場所は多く、そうした土地はむしろ安心度が高いかもしれない。また一度液状化すると地盤が堅くなり、その後は安定するケースもあるようだ。むやみに恐がるよりも、土地の現状を正しく理解して対策を打ってあるかどうかを確認することが重要だろう。

液状化についてもっと詳しく知りたい人は、今度の土曜日に新浦安で「液状化セミナー」が開かれるから、足を運んでみては?
(現在は定員に達したため新規募集受付は終了)

【日時】4月23日(土)10:00~11:30
【場所】マイステイズ新浦安コンファレンスセンター 大会議室
【〒279-0014 千葉県浦安市明海2-1-4
【講師】東京大学 社会基盤学科 東畑郁生教授
【募集人数】先着200名(申込み受付は終了)
【費用】無料
【主催】地盤工学会関東支部、東京大学
【事務協力】(株)明和地所、新浦安ナビ
【お問い合わせ】事務局 (株)明和地所、電話:0120-948-614
http://www.shinurayasu-navi.com/topics/2011/earthquakesemi.html

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