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野村和幸/企画・エフェクト
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2015年3月11日 (水)

震災から4年…3.11の記憶を繋ぐ「みらいサポート石巻」の活動

震災から4年…3.11の記憶を繋ぐ「みらいサポート石巻」の活動(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

東日本大震災の発生から、4年を迎えた。被災地域のなかでも、3500人を超える死者・行方不明者という甚大な被害を被ったのが宮城県石巻市。中心市街地は、震災前から地域の商業が衰退傾向にあったなかで被災したために壊滅的な状況となった。

「瓦礫は撤去されて見た目はキレイになりましたが、空き地などが急増し、街の再生に課題は山積みです。復興と言っても、何を持って復興と言うのか。瓦礫がなくなれば復興なのか。私たちも頭を悩ませながら毎日取り組んでいます」

今回、「みらいサポート石巻」の専務理事を務める中川さんにお話をうかがった。「みらいサポート石巻」は、石巻で復興に向けて、この震災を未来への教訓として伝えるべく活動している。

「みらいサポート石巻」はどのような活動をしているのでしょう?

「コミュニティの活性化、まちづくり、情報発信というそれぞれの側面から地域づくりをサポートしています。地域と一体になり、再生に向けた下支え的な活動を通じて、3.11の記憶を風化させるのではなく教訓として防災に活かし、未来へと繋いでいくのも私たちの役割です」

震災の記憶を教訓として活かすためにどんなことをされているのですか?

「被災された住民の方に実体験をお話いただく『震災の語り部』を開催しています。また、石巻中心市街地の被害状況をもとに、AR(拡張現実)技術を活用して分かりやすく伝えるためのアプリ『石巻津波伝承AR』も公開しました」

実際にそのアプリで、どのようなことができるのでしょうか。

「コンテンツの1つである“石巻まちあるき”では、石巻の街を歩きながら、写真をもとに震災直後と現在の様子を見比べることができます。津波による被害状況や石巻の現在・過去・未来を知ってもらい、次の世代に伝承していくツールのひとつになればと思います」

石巻の復興、そして未来へと繋げていくため地道な活動を続け、支援者の輪も広がっているという。今回紹介したのはほんの一部だが、「ちゃんと伝える努力を地道にやりながら、国や市に頼るのではなく、民間の方々と一緒になって活動を続けていきたい」と中川さんは語ってくれた。これからの活動も、3.11の記憶をつなげるよう応援していきたい。

●取材協力
一般社団法人 みらいサポート石巻
HP:http://ishinomaki-support.com
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