「実家の片づけ問題」や、来年の相続税改正を控え、「親子関係」や家についてメディアで取り上げられる機会が増えている。そんな中、「自分のルーツを知りたい」と人気を集めているものがあるという。
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流行の家系図作成。自分のルーツを探ることは自ら行うことも可能。もっとも手軽で有効な手段が戸籍の取得だ。申請者が直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母など直系の血族)についてならば、1886年改正の「明治19年式戸籍」まで遡って取得できる。
「明治期の戸籍を取得すると通常は4代以上、江戸末期のご先祖くらいまで遡れます。自分でやっても意外と簡単で費用も安いですよ」(山崎氏)
これらの情報を元に家族や祖先の名を順番に並べ、ネット上で家系図を作れる「ネットde家系図」などのサイトを利用すれば、簡単に家系図が完成する。中には、実家に伝わる古文書を読み解き、鎌倉時代まで遡った強者もいるという。
完成した家系図は親族間のコミュニケーションツールにもなると言うのは、日本家系図学会の岩本卓也理事だ。
「法事などで多くの親戚が集まった時、お互いの関係性がわからないことがある。そこに家系図があると、『この人は●●だ』と大いに盛り上がって、普段は疎遠な親戚とも楽しく触れ合えます」
実際に30代~40代の若い世代は親の死後、交流の少ない親戚のデータベース用に家系図を作る例が多いという。
※SAPIO2014年12月号