リクルート住まいカンパニーでは、 関東(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20代~40代の3000人を対象に実施した「2015年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版」を発表した。1位はテッパンの「吉祥寺」だったが、大きくジャンプアップした街がある!それは……。
まず、1位と2位は「吉祥寺」と「恵比寿」。継続して1位・2位を保ち、抜きんでて人気が高い。
3位以下は「横浜」、4位「目黒」、5位「武蔵小杉」と続く。いずれもランクをグンと上げた。「横浜」は一昨年2013年も3位なので安定上位といえるが、「目黒」(11位→4位)と「武蔵小杉」(9位→5位)のジャンプアップぶりが目立つ。
●住みたい街(駅)総合ランキング(関東全体)
目黒は、JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線が利用できる交通アクセスの良さに加え、「アトレ目黒1・2」「ヒルトップガーデン目黒」といった複合商業施設が駅と直結している。少し歩けば目黒川や国立科学博物館附属自然教育園などの豊かな自然もあり、神社仏閣も多い。しかし、これは2000年代から継続していること。
調査時期が2015年1月ということを考えると、目黒駅東口(品川区側)で大規模な複合再開発(ツインタワー)が始まったことなどで注目を集めていることが、人気急上昇の要因に挙げられるだろう。
※なお、中目黒は2015年で順位を下げた(4位→7位)が、2014年より得点は上がっているので、人気が落ちたというよりは、ジャンプアップした街に抜かれたと見るのが妥当だろう。
一方、武蔵小杉は、JR横須賀線の新駅開業前から広範囲に高層マンションや商業施設の建設ラッシュが続き、注目を集めている街だ。“ムサコ妻”なる呼び名も生まれるほどで、国土交通省が公表する公示地価で毎年高い上昇率を示している点が人気を高めている理由だろう。
2015年の調査では、住みたい街だけでなく「今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」な街(駅)も発表している。
値上がりしそうな街としては、住みたい街ランキング5位の武蔵小杉が挙がったほか、東京五輪で注目される湾岸エリアの「豊洲」(2位)や「月島」(10位)、「勝どき」(11位)、東京五輪での暫定開業が予定されている新駅が中間地点にできる「品川」(3位)、「田町」(4位)などが上位に。
ららぽーとや駅の東西を結ぶ自由通路が誕生予定の「海老名」(5位)、リニア中央新幹線新駅を設置予定の「橋本」(6位)もランクインするなど、利便性が向上する街は、地価も上がると見ていることがうかがえる結果だ。
●「今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」と思う駅ランキング (関東全体)
「複数路線が乗り入れ、起点となるターミナル駅まで10分程度にもかかわらず、物件価格が安く暮らしやすい、実は穴場」だと思う街(駅)は?というランキングも出している。
断トツ1位は「北千住」。JR常磐線、東武伊勢崎線、東京メトロ千代田線・日比谷線、つくばエクスプレスと5路線が乗り入れるビッグターミナルだ。東武伊勢崎線と相互運転する半蔵門線は東急田園都市線に、千代田線は小田急線にとつながっているため、どこへ行くにも便利だ。JR常磐線が3月14日の上野東京ラインの相互直通運転開始で、さらに便利になる点も見逃せない。
従来からある商店街に加え、駅周辺に新しい商業施設も充実。近年は、大学の誘致で学生たちが通うようになり、学生による昼間人口の多さは街の活性化を促し、街のイメージも一新した。まさしく、実は穴場の街と言っていいだろう。
●「複数路線が乗り入れ、起点となるターミナル駅まで10分程度にもかかわらず、物件価格が安く暮らしやすい、実は穴場」だと思う駅ランキング(関東全体)
実際に住むとなると、憧れだけで立地は選べない。賃料や住宅価格が予算内であること、通勤通学時の混雑や乗換の多さなどのストレスの有無、日常の買い物で利用する店の多さ……。それぞれの家庭によっても、重視したい点が異なるはず。見方を変えると選ばれる街も変わるということを提示したランキングとなっており、ランキングの位置づけより、多様な視点をランキングから学び取ってほしい。