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田方 みき
2014年1月17日 (金)

消費税増税後はどうなる?住宅ローン控除の金額と条件をおさらい

消費税増税前に住宅ローン控除についておさらい(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

住宅ローンを利用して住宅の取得やリフォームをすると、年末ローン残高の1%が10年間、所得税から控除される「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」(所得税が控除額より少ない場合は住民税からも控除される)。2014年4月1日の消費税増税後には、税額控除額が最大200万円から400万円にアップする。住宅ローン控除は、中古マンションや中古一戸建ての購入や、一定のリフォームの場合でも利用できるので、主な適用条件をおさらいしておこう。

消費税率アップを受けて、住宅ローン控除の最大控除額も増える

住宅ローン控除の対象になる年末ローン残高の上限は、2014年3月末入居までの場合は2000万円で、10年間の最大控除額は200万円だ。それが2014年4月1日以降の入居から拡充され、年末ローン残高上限が4000万円になる、10年間で最大400万円が控除されることになる。

ただし、控除額の上限がアップするのは8%の消費税がかかる物件。もともと消費税がかからない中古物件の個人間売買の場合や、2013年9月末までに間取り変更などの契約をした新築マンションで4月以降の引き渡しでも、税率5%の場合は年末ローン残高上限は2000万円のままだ。

また、戻ってくる所得税の額は、その年の納税額が上限という点にも注意。つまり、控除額が20万円だとしても、納めている所得税が10万円なら実際の控除額は10万円ということになる。ただし、引ききれなかった場合は住民税からも控除される措置がある。

8%の消費税がかかる新築物件、売主が事業者の中古物件を購入した場合や、リフォームをした場合で、年末のローン残高が2000万円超、所得税と住民税の納税額が控除額を上まわる人は、住宅ローン控除拡充の恩恵を受けられるということになる。

消費税増税後はどうなる?住宅ローン控除の金額と条件をおさらい

【図1】所得税が控除額よりも少なく、控除額全額を引ききれなかった場合は住民税から控除される。ただし、住民税からの控除限度額は9万7500円(消費税率が8%の場合は13万6500円)

住宅ローン控除の対象となる物件の条件は?

では、住宅ローン控除を受けるためには、どのような条件をクリアしていればいいのか、ここでおさらいをしておこう。

住宅ローンを利用して、マンションや一戸建て(建売住宅、注文住宅)を取得すると利用できる住宅ローン控除だが、中古物件の購入やリフォームの場合も適用になる。取得する住宅の種類別に、主な条件をまとめてみたので参考にしてほしい。

<住宅ローン控除を受けるための主な条件>

■新築住宅(マンション・一戸建て)の場合
・新築または取得日から6カ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで住んでいること
・合計所得金額が3000万円以下であること
・ローンの返済期間が10年以上あること
・登記簿に記載されている床面積が50㎡以上あること
・床面積の1/2以上が自分の居住用であること

■中古住宅(マンション・一戸建て)の場合
・新築住宅の条件のほかに下記の条件を満たすこと
・マンションなどの耐火建築物は、取得の時点で築25年以内。耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内。または、一定の耐震基準をクリアしていること※
・生計を一つにする親族などからの購入ではないこと
・贈与された家ではないこと
※「2014年度税制改正大綱」に、耐震基準をクリアしていない中古住宅でも、取得後、耐震改修工事を行い、その後に入居する場合は住宅ローン控除の対象となる案が盛り込まれている。正式決定すれば、住宅ローン控除を受けられる中古物件の範囲が広がることになる。

■リフォームの場合
・新築住宅の条件のほかに下記の条件を満たすこと
・自分で所有し居住する家のリフォームであること
・一定の省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォーム、または大規模な間取り変更や修繕などであること
・工事費用が100万円以上であること
・店舗併用住宅等の場合、居住用部分のリフォーム費用が2分の1以上であること

住宅ローン控除は、最長10年間の所得税や住民税が節税できる制度。入居の翌年に、自分で確定申告をすることが必要なので、自分は控除が受けられるかどうかを早めに確認し、準備をしておきたい。分からないことがあれば、最寄りの税務署に問い合わせよう。

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