住まいの雑学
59
冨成 マサキ
2012年4月22日 (日)

来春からは花粉症でも安眠できる?!花粉症やぜん息、アトピーなどへの医学的効果が期待される家

今年は例年になく寒かったので東京でも連休明けまで花粉症本番は続きそう。
花粉症やぜん息、アトピーなどのアレルギー疾患はいまや日本人の国民病だ。

そんな折りもおり、群馬大学医学部教授・土橋邦生氏と前橋工科大学准教授・三田村輝章氏が、群馬のハウスメーカー・ハラサワホームの社長・原澤浩毅氏との共著で、ズバリ『ぜん息とアトピーが治る家』という本を出す。

幻冬舎ルネッサンス新書の編集担当者は、
「住むだけで、花粉症はもちろん、ぜん息、アトピーなどアレルギー疾患の症状が抑えられるという家があります。この家は医学、環境工学、建築の専門家たちによって、一定の医学的効果が認められたとされる住宅です。さらに、福島第一原発事故以降、空気中に飛散している放射性物質の、屋内への侵入を防ぐ効果があることも実証されました。家を建ててしまってから悔やまないためにも、建てる前に必ず読んでほしい一冊です」

ハラサワホームが開発したこの住宅は「HASの家」という。躯体の構造は2×4による高気密高断熱構造で、そこに1マイクロメーターまでの微粒子をキャッチできる高性能電子フィルター<図1>を備えた24時間換気システムを組み込んだ。

<図1>

来春からは花粉症でも安眠できる!花粉症やぜん息、アトピーなどへの医学的効果が実証された家

これによって室内は湿度や温度、空気の流れがコントロールされるだけでなく、花粉症やぜん息の原因である空気中の微粒子(ハウスダスト、花粉、かびなど)を通常の住宅の数十分の1~と、半導体工場のクリーンルーム並みに減らすことができた。このため花粉症はもちろん、5マイクロメーターから10マイクロメーターという比較的小さなハウスダストが原因となるぜん息発作が起こりにくくなるという。

もちろん家から外に出てしまえば花粉などアレルギーの原因物質にさらされるわけだが、夜安眠できるだけでユーウツな春も快適に過ごせそう。

また最近子どものぜん息死が吸入ステロイドという薬の普及で激減した一方で、ぜん息の慢性化が問題になっている。ぜん息の慢性化を防ぐにはアレルギーの原因物質を吸い込まないのが一番だという。その点から見てもHASの家は理に叶っている。

この本の中で、ぜん息やアレルギーが起こる仕組みを非常に分かりやすく解説されている土橋邦生氏は、群馬大医学部でぜん息やアレルギーを専門に研究されている。土橋氏はHASの家に入居した家族の血液検査まで行うことで一定の医学的効果があることを実証、日本アレルギー学会に発表している。<図2>

<図2>

来春からは花粉症でも安眠できる!花粉症やぜん息、アトピーなどへの医学的効果が実証された家

一方、環境工学の専門家である三田村氏は、ハラサワホームの建てた住宅の室内環境を実測し、その結果を土橋氏の群大チームに提供する一方で日本建築学会に発表した。

またこの本の編集作業中にHASの家の空気清浄装置(電子フィルター)が昨年の東日本大震災による原発事故で大量に飛散した放射性物質をキャッチしていることが判明。子育て中のお母さんにとってもっとも心配な子どもの体内被曝のリスク軽減の可能性もでてきている。<図 3>

<図3>

来春からは花粉症でも安眠できる!花粉症やぜん息、アトピーなどへの医学的効果が実証された家

来春からは花粉症でも安眠できる!花粉症やぜん息、アトピーなどへの医学的効果が実証された家

『ぜん息とアトピーが治る家』
土橋邦生、三田村輝章、原澤浩毅共著
幻冬舎ルネッサンス新書
4月25日発売予定
定価880円

前の記事 落語「長屋の花見」に見る、今に続く桜の名所
次の記事 地図界の偉大なる記念日、4月19日に素敵な地図アプリを探してみた
SUUMOで住まいを探してみよう