ライフ

米NPO団体 糞便移植用サンプル便1回分を40ドルで買い取り

 安倍晋三・首相の持病であり難病指定されている「潰瘍性大腸炎」。その治療法として最近注目されているのが、「糞便移植」だ。

 健康な人から糞便を提供してもらい、それを水に溶かした後に大腸内視鏡やチューブ、カプセルを使って患者の腸内に移植する治療法だが、潰瘍性大腸炎以外の病気にも糞便移植を応用しようとする研究や臨床試験が世界各国で進められている。

 2013年9月にオランダのアムステルダム大学のスミッツ教授らの研究チームが発表した「糞便移植療法が持つ可能性」と題する様々な臨床研究をまとめた論文では、いくつかの病気に対する治療の有効性・可能性を論じている。

 現在最も臨床研究が進んでおり、治療効果もはっきりしているのが、腸内の細菌バランスを崩し大腸炎を引き起こす「クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)」だ。

 CDIに糞便移植を用いれば、重度であれ再発であれ90%程度の患者が治癒するとされる。アメリカでは、CDIの治療として最初に用いられるのが糞便移植だ。

 また、下痢や便秘などの症状を引き起こす「過敏性腸症候群」の治療にも、糞便移植は効果的とされる。50人の患者に移植を行なった結果、6割にあたる30人の便秘・下痢が改善した。

 同論文では、肥満男性に対してやせた患者からの糞便を移植した結果、血糖値が下がりやすくなったことから、腸内細菌を移植することで糖尿病を治療できる可能性にも触れている。

 他にも、数週間毎日糞便移植を受けたことで難病である多発性硬化症が治った例が3例あることや、アレルギー、非アルコール性脂肪肝疾患などの治療にも有効だとされている。ただし、腸内細菌をコントロールすることが「何にでも効く」と飛躍するのは明らかに非科学的だ。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン