長期旅行なら必須?海外旅行前の“予防接種”に関する基礎知識

長期旅行なら必須?海外旅行前の“予防接種”に関する基礎知識

しん

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こんにちは、LIGMOエディターの新です。
私は『Travelers Box』という旅のWebメディアをやっていることから、様々な方の旅の話を聞く機会があります。

今回は、よく質問される海外旅行時の“予防接種”について、基礎的なポイントをまとめてみました。「長期で海外に行くんだけど、どんな予防接種を受けたらいいの?」という方は、ぜひご参考にしてみてください。

海外旅行における予防接種とは?

海外を長期で旅行する場合、または冒険のような旅をしに行く場合は、日本にいるときよりも病気にかかってしまう可能性が非常に高くなります。事前に予防接種を受けておくことで、現地で感染するリスクを下げることができます。

厚生労働省検疫所『FORTH』では、長期とは「およそ1ヶ月以上の滞在をする場合」としています。ただし、訪れる地域や旅行のスタイルによっては、短気であっても予防接種を受ける必要があるでしょう。

健康に帰国することは旅行者の務めです。正しい準備をしておかないと、周囲への二次感染に繋がる可能性もあります。

海外旅行において予防接種が必要になる場合は、主に以下の2つ。

1. 予防接種証明書を求められる場合

例えばアフリカや南米の熱帯地域では、入国時に黄熱の予防接種証明書を提示する必要があります。また流行国から移動して入国する場合にも求められることがあり、仮に乗り継ぎだけであっても予防接種証明書が必要になる場合があります。

2. 病気になるリスクを下げる必要がある場合

訪れる地域・期間、健康状態、また旅行のスタイルなどによって、感染する恐れのある病気があります。世界には日本にはない病気もたくさんあるのです。
そういった病気からあなたの体を守るために、感染リスクが高いと判断される場合には予防接種を受けておく必要があるでしょう。

どんな予防接種があるか?

海外渡航者向けの予防接種には様々な種類があります。

代表的な旅行者向けの予防接種

代表的なものを5つご紹介しましょう。

1. 黄熱病

蚊に刺されることで感染する全身性の感染症。アフリカや南米で感染するリスクが高く、発熱・寒気・頭痛・筋肉痛・吐き気などの症状を引き起こします。

ワクチンは、1回の接種で接種後10日目から10年間有効。黄熱の予防接種証明書(イエローカード)がないと入国できない国があります。

参考:FORTH|黄熱について

2. 狂犬病

哺乳動物に咬まれたり、傷口・目・口の粘膜をなめられたりすることで感染します。発症すると致死率がほぼ100%という恐ろしい病気で、主にアジア・アフリカで流行しています。

日本における予防接種は、初回を0日としたときに、0日・28日・180日の3回接種。予防接種なしの場合の暴露後接種(咬まれたり舐められたりした後のワクチン接種)は、0日・3日・7日・14日・28日・90日の6回です。予防接種を受けた場合でも、動物に咬まれたら2〜3回の追加接種を受ける必要があります。

日本と海外で接種方法が異なりますので、海外で追加接種を受ける場合には確認が必要です。

参考:FORTH|お役立ち情報|感染症についての情報|狂犬病

3. A型肝炎

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介することで、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入り感染します。感染すると急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐を引き起こし、数日後には黄疸が現れます。

ワクチンは、2〜4週間の間隔で2回接種します。半年後に3回目を接種すると、5年間は有効と言われています。

参考:FORTH|お役立ち情報|感染症についての情報|A型肝炎

4. 破傷風

ケガをしたときに傷口からウイルスが入ることで感染します。破傷風菌は世界中の土の中に存在し、感染すると口や手足に痺れが起こります。治療が遅れると死亡することもあります。

破傷風ワクチンは3種混合ワクチンに含まれているため、定期予防接種を12歳のときに接種していれば、20代前半までは免疫があります。30歳以上の人、または追加の予防接種を受けていない人は、1〜3回の接種を受ける必要があります。(正しい方法で接種を行うと免疫は10年持続する)
人によって接種方法が変わりますので、医師に相談してみましょう。

参考:FORTH|お役立ち情報|感染症についての情報|破傷風

5. 日本脳炎

蚊を媒介して感染し、高熱・頭痛・嘔気・嘔吐を引き起こします。その後、意識障害・けいれん・異常行動・筋肉の硬直などが現れます。アジアで広く流行し、毎年3.5〜5万人の患者が発生しています。重傷例のうち50%が死亡するといわれる恐ろしい病気です。

ワクチンは、定期の予防接種を完了していても有効期間は3〜4年。この期間を経過した後であれば、追加で1回接種する必要があります。以降、3〜4年ごとに接種することが勧められています。

参考:FORTH|お役立ち情報|感染症についての情報|日本脳炎

正しく知ることが大切

狂犬病の致死率がほぼ100%であることを知っていましたか? 年間で5.5万人以上もの人が狂犬病で命を落としていることを知っていましたか?(WHO調べ)そもそも、狂犬病という病気の存在を知っていましたか?

予防接種を受ける必要性を判断するためにも、どんな病気なのか、どんな予防接種なのか(接種回数や効果の範囲など)を正しく知ることが、まずなによりも大切です。

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インドとサッカーとタンタルと石田ゆりこが好き。それ以外のものは普通です。海外一人旅をテーマにしたSunglialという活動もしています。よろしくお願いします。

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