何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第1回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第1回)

菊池良

菊池良

1. はじめに

 

かつてこの地球を支配していた恐竜が絶滅してしまった理由をご存知でしょうか?

 

隕石の落下が原因です。

 

その隕石の大きさはわずか10キロメートル。だいたい東京駅から中野駅ぐらいまでの距離です。中央線で約20分で行ける距離の隕石によって、地球全体の生命が奪われてしまいました。

一見すると小さなものでも、大きなエネルギーを生み出し、世界を変えてしまうことがあります。

 

彼の歌声もそうでした。

 

 

2. 歌うように泣く赤ちゃん

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「オギャー! オギャー!」

 

大きな産声を上げながら、元気な赤ちゃんが自然分娩で生まれました。

 

「あなた、これが私たちの赤ちゃんよ」

 

赤ちゃんを抱きながら、お母さんのリンダが言います。

お父さんのビクターは感動で涙を浮かべていました。

 

「よし、立派な男の子になれるよう、スティーブ・マックイーンから取って、“スティーブン”と名付けよう」

 

ビクターは“スティーブン”と名付けた赤ちゃんを抱きかかえると、優しく頭を撫でました。

 

「オギャー! オギャー!」

「綺麗な声をしている子ね。まるで音楽を聞いているようだわ」

 

そう言ってリンダは笑います。

これが、のちに世界的なミュージシャンになる“スティーブン・タイラー”が生まれた日でした。

 

 

3. ピアノが聞こえる家で育った

 

アメリカ、カリフォルニア州。

自由な気風が流れるこの街で、スティーブンは育っていきました。どこにでもある木造の一軒家にタイラー家は住んでいました。

ビクターは自動車の整備工をやっていて、毎日油まみれになりながら車を作っていました。ロールス・ロイス、ポルシェ、アストンマーチン。街を走る車のほとんどをビクターが作っています。

スティーブンはそんなビクターの後ろ姿を、誇らしい気持ちで見ていました。

 

(僕のお父さんがいなければ、この街は機能しなくなっちゃうんだ! お父さん、すごい!)

 

ビクターが仕事に出ている間、タイラー家からはよくピアノの音が聞こえてきました。リンダが弾いているのです。

リンダは子どものころから音楽が大好きで、今でもピアノを趣味にしています。

 

「ラ〜ララ〜ララ〜♪」

 

スティーブンの歌声です。

 

「ラ〜ララ〜ララ〜♪」

 

いつしかリンダの伴奏に合わせて歌うスティーブンの声は、その辺一帯の名物となっていました。

 

ある日のことでした。タイラー家は夕食を終えたあと、のんびりとした時間を過ごしていました。

ビクターはグラスに入れたウイスキーを少しずつ楽しみ、リンダはポロンポロンと鍵盤を触っていました。

 

「ラ〜ララ〜ララ〜♪」

 

スティーブンが歌うのを、いつものようにビクターとリンダは微笑ましく眺めています。その時です。

 

ピシッ!

 

ビクターが持っていたグラスにヒビが入りました。

 

「ラ〜ララ〜ララ〜♪」

 

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横では元気にスティーブンが歌っています。ビクターとリンダはごくりと唾を飲む込みました。

 

「この子の歌声には、普通の人にない“何か”がある・・・」

 

ビクターとリンダが、そう確信した瞬間でした。

 

(つづく)

 

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