街・地域   |   借りる
11
大森 広司
2014年5月19日 (月)

商業施設やシネコン開業で注目の日本橋。どう変わった?いくらで住める?

63010_main
撮影:大森広司

東京・日本橋室町に新しい商業施設が誕生した。日本橋界隈というと、先日安倍首相が消費税引き上げの影響を視察した三越や高島屋などの百貨店はあるが、食事やアミューズメント施設などが少なく、アフターファイブを楽しむ街というイメージはあまりなかったかもしれない。だが、3月20日にCOREDO(コレド)室町2とCOREDO(コレド)室町3が同時オープンしたことで、新たなトレンド発信スポットとして注目度が俄然アップしているのだ。

老舗の名店やこだわりの食の店など83店が出店

新たに開業した2つの商業施設には、全国の食やこだわりのモノを提供する68の店舗が出店。さらに周辺のCOREDO室町と日本橋三井タワーの15店舗も同時にリニューアルオープンし、全83店がそろう一大商業ゾーンとなった。

出店店舗には、日本橋らしい老舗の名店が多い。コレド室町に以前から出店している鰹節のにんべんは、新たに和食ダイニングの「だし場はなれ」をオープンさせた。また創業200余年の京都の和菓子店鶴屋吉信は、職人が実演するつくりたての和菓子を楽しめるカフェを開設。同じく京都の漬物店西利は漬物とワインのマリアージュが味わえる直営店を関東で初出店している。

そのほかの食の店も個性派ぞろいだ。ベルギービール専門レストランや、北海道厚岸町の牡蠣と全国の日本酒を味わえるオイスターバー、名古屋コーチンを使った親子丼の店などなど。イタリアンや中華など5人のシェフが監修したウニ料理の店もある。

商業施設やシネコン開業で注目の日本橋。どう変わった?いくらで住める?

【画像1】食の店では北海道の牡蠣や世界中のチーズなどさまざまな食材が楽しめる(撮影:大森広司)

また、コレド室町2には、日本橋初となるシネマコンプレックス「TOHOシネマズ日本橋」がオープン。最新装置を備えた9スクリーン、約1800席で映画を楽しめる。さらに茶室や大広間を設けたレンタルスペース「橋楽亭/囲庵(きょうらくてい/めぐりあん)」では、着物やお座敷遊びなど「おもてなし」文化を体験できるほか、平日の夜に茶道をお稽古できるレッスンもスタートする。

“伝統”と“先進”が融合した街づくりが進行中

開発を手がけた三井不動産日本橋街づくり推進部長の新原昇平氏は「かつてにぎわいの中心だった日本橋を再生し、シニア世代や30~40代を中心とした幅広い世代が土日や深夜まで楽しめる、国際都市の玄関口にふさわしい街を創っていきたい」と、今後の街づくりへの意気込みを語っている。

商業施設がオープンしたことで、日本橋界隈のかつてのにぎわいが復活したかのようだ。来訪者の特徴はというと、40代以上とおぼしき「大人の」カップルが目立つように思われる。ワカモノが中心の渋谷や六本木とは異なるのはもちろん、女性同士のグループが多い銀座とも違う雰囲気だ。

計画では今年10月に、1100年以上前に造営されたとされる福徳神社が再生され、仲通りや浮世小路と一体化したライトアップなども予定されているそうだ。ブランドショップが並ぶ丸の内の仲通りとも趣の異なる、日本の伝統と先進のライフスタイルが融合した街並みが現れることになるだろう。

御用聞きサービスが受けられる賃貸住宅が家賃40万円から

ところで今回の日本橋室町の再開発の中には、賃貸住宅も含まれている。コレド室町2のある室町古河三井ビルディングの最上階4フロアに位置する「パークアクシス プレミア 日本橋室町」だ。(https://suumo.jp/journal/2014/03/04/58856/

名前からも分かるように、普通の賃貸住宅とは異なる「プレミア」な特徴が盛り込まれている。まず住戸内は天井の高さが最高3mあり、2.7mの窓サッシを採用するなど都心を見渡す開放的な眺望が楽しめる。フィットネスセンターや庭園を臨めるWi-Fi対応のロビーラウンジなど、共用施設もラグジュアリー感が高い。

商業施設やシネコン開業で注目の日本橋。どう変わった?いくらで住める?

【画像2】2.7mのハイサッシから都心の夜景を楽しめる。地震に強い制震構造も採用(撮影:大森広司)

サービス内容もユニークだ。三越とこの物件のコンシェルジュが連携し、日常の買い物の即日お届けサービスや、特別なリクエストにも対応する「日本橋三越御用聞きサービス」が利用できる。ほかにもコレド室町2やコレド室町3など日本橋周辺の施設や店舗との連携も計画中だという。

また外資系企業の長期出張者などを想定し、家具や家電、食器などを備えた住戸プランを一部導入。コンシェルジュが英語にも対応するなど、外国人の都心居住ライフをサポートする。

気になる家賃だが、54平米台の1LDKから140平米台の3LDKまで全54戸があり、管理費込みで40万円~160万円。立地や物件のグレード感から考えると、決して高い家賃ではないかも。

ワンルームなら駅徒歩5分の物件が6万円で借りられる

とはいえ、「とても40万円も出せない」という人のほうが多いだろう。そこでSUUMOの賃貸情報から三越前駅で検索してみると、格安物件が続々ヒットした。最安値は駅徒歩10分で10平米の1Kが6万円だ。駅徒歩6分の20平米・1Kで7万3000円の物件もある。50m2台では駅徒歩5分のワンルームが15万5000円で最も安い。

コンシェルジュや御用聞きサービスは無理でも、10万円前後で日本橋に住むことは十分可能だ。百貨店が至近だからデパ地下におかずを買いに行くこともできるし、仕事帰りに気軽にお茶を習ったり、映画を楽しむこともできる。あなたも日本橋に住んで都心ライフを味わい尽くしてみては?

商業施設やシネコン開業で注目の日本橋。どう変わった?いくらで住める?

【画像3】日本橋室町の再開発地区は建物や通りが和のテイストを基調としたデザインで統一されている(撮影:大森広司)

前の記事 人口わずか500人の限界集落で造られる「獺祭」。地元をどう変える?
次の記事 待機児童数はめやすにならない? 保育所の保留児童ってなに?
SUUMOで住まいを探してみよう